あらすじ
「今夜、すべてが終わるはずだった」 高校生の頃に出会った美しい探偵・刀根美聖(とねみさと)。彼女に魅せられ、助手として支えた十二年。すべてが解決したかに思われた今夜、俺は彼女と、長い長い電話をする――ふたりで追った四つの事件を辿りながら。追想の僅かな綻びに、優秀な探偵が気付かないはずがない……。その電話が終わるとき、すべての光景が反転する。驚愕の大どんでん返しミステリ。
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Posted by ブクログ
一気に半分くらい読み、忙しくなりしばらく読めていませんでしたが、やっと読み終わりました。
電話をずっとしながら過去の事件を振り返る話。
一つ一つの話が面白く、事件の内容も一応納得の解決。ただ田坂の語り、動きはずっと違和感。なにかを読者に伝えようとしているのは明白。
大どんでん返しかは分かりませんが、伏線回収は綺麗で、どちらのキャラクターも魅力的。最後の終わり方も好きでした。
概要を読んだ時はルビンの壺が割れたを彷彿とさせ、流れ的には似たようなものがありました。
面白かったーー。
読み終わるとタイトルに感動する作品ってありますよね。
Posted by ブクログ
美しき探偵と、その探偵に惚れ込んだ青年助手。
凛として折れない花のような先輩。正しいことはどこまでも正しいものとして貫き通す姿。悪を悪として捌こうと必死に追いかける姿勢。すべてが青年にとって美しく見えすぎてしまった結果…。
先輩を傷つけること、その花を折ることで自分がその人にとって忘れられない存在になることを願っていたのかもしれない。
Posted by ブクログ
帯に惹かれて、まったくの事前情報なしに購入し読んだが、期待以上だった。
「大」どんでん返し、という程ではないが、最後に丁寧に伏線が回収されていく様は美しい。
特に、結末が個人的には好みだった。
Posted by ブクログ
分からないので一応ネタバレ判定しました。
表紙と帯に惹かれて購入しました。
帯に「どんでん返し」「伏線」「反転」などネタバレじゃないか?書きすぎではないか?と思いながら読み始めました。
色々と考えながら、伏線について疑いながら読み進めましたがクライマックスには驚きの連続でした…。最後の1行まで贅沢な作品で、自分的には余韻を残しながらも綺麗な終わり方だと思いました。
初めて出会った作者様でしたが言葉選びがどれも好きで、また別の作品も読んでみたいと思いました。
Posted by ブクログ
全編、美しい探偵刀根ミサトと、「助手」の田坂との2人の電話の会話。2人が出会った12年間の中で起きた事件を振り返っていくのだが…
一気読みでした!まあいろいろと怪しいとは思っていたけど。イヤミス的な感じなのに、すごく耽美的でした。
Posted by ブクログ
公明正大を絵に描いたような美人探偵と彼女に惚れ込んだ青年助手の物語。2人が出会ってから12年の間に捜査した4つの事件を電話越しに振り返るという構成から「信頼できない語り手」のにおいがぷんぷんとするがそこを織り込み済みでも楽しめること請け合い。事件の語りの合間に小出しされる情報や2人の会話が電話越しであるところからなんとなく終盤の展開は読めたけれども、冷徹な狂気の先の「必要な殺人」というタイトル回収が鮮やか。
惜しむらくは探偵が真犯人に疑いをもった契機がそこであるならば、その疑念を温存しておくのは人物造形として違和感があるかなぁと。
初見の作家たっただけれども、世情を反映したアウトライン含めてとても好みで他の作品も手を出していきたい。