【感想・ネタバレ】高額療養費制度 ひろがる日本の<健康格差>のレビュー

あらすじ

医療費が高額になった場合、自己負担額を一定に抑える「高額療養費制度」。自己免疫疾患の治療で長年この制度を利用してきたジャーナリストは、2024年冬に政府が発表した「改悪」案に不安と憤りをおぼえ、取材を開始する。疾患当事者や研究者、政治家などの証言が浮き彫りにしたのは、健康に「格差」がある日本社会の現状や、セーフティネットとして十分に機能せず、〈世界に冠たる〉とは到底いえない医療保険制度の姿だった。複雑で入り組んだ高額療養費制度の問題を、一般書として初めて平明かつ多面的に解明する!

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Posted by ブクログ

本書でも指摘されていますが、とにかく高額療養費制度そのものが複雑怪奇になっていることと、一般の方はもちろん当事者(患者さん・医療者)にしても理解が関わっている分野に限られてしまい、制度全体を俯瞰することが難しいことが議論を難しくしています。さらに高額療養費における制度のさまざまな「バグ」はそもそも保険医療制度の複雑さに由来するところが多く、部分的な改良では限界がありそうなのが厄介です。

そういった背景を踏まえて、本書では患者団体だけでなく、司法、立法、経済、社会保障の専門家にも取材を行っています。負担と給付の問題ということなのであれば、結局は二木立先生が仰るように保険料の逆進性を解消しつつ全体で負担を増やすのが本筋なのでしょうけど、「手取りを増やす」キャンペーンから始まった保険料下げの政治的圧がある限り難しいのも確かです。

患者団体が特定の政党に限定せず広く訴えたことで一度は歯止めがかかりましたが、今後は各党の思惑が絡んで総論賛成各論反対になるのかもしれません。何とかよい着地点が見つかるとよいのですが…

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2026年05月05日

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