【感想・ネタバレ】人新世の「資本論」増補新版(集英社シリーズ・コモン)のレビュー

あらすじ

【国内50万部超&
19言語に翻訳された世界的ベストセラーに
新たに「補考」を書き下ろした完全版!】

人類の経済活動が地球を破壊する「人新世」=環境危機の時代。
気候変動を放置すれば、この社会は野蛮状態に陥るだろう。
それを阻止するには資本主義の際限なき利潤追求を止めなければならないが、資本主義を捨てた文明に繁栄などありうるのか。いや、危機の解決策はある。
ヒントは、著者が発掘した晩期マルクスの思想の中に眠っていた。世界的に注目を浴びる俊英が、豊かな未来社会への道筋を具体的に描きだす!
続編『人新世の「黙示録」』へのブリッジである、補考「オーバーシュートと進歩の終わり」を収録した完全版!

【各界が絶賛!】
■スラヴォイ・ジジェク氏(哲学者)
生き延びたい人には、必須の書だ。
■坂本龍一氏(音楽家)
気候危機をとめ、生活を豊かにし、余暇を増やし、格差もなくなる、そんな社会が可能だとしたら?
■水野和夫氏(経済学者)
資本主義を終わらせれば、豊かな社会がやってくる。だが、資本主義を止めなければ、歴史が終わる。常識を破る、衝撃の名著だ。
■ヤマザキマリ氏(漫画家・文筆家)
経済力が振るう無慈悲な暴力に泣き寝入りをせず、未来を逞しく生きる知恵と力を養いたいのであれば、本書は間違いなく力強い支えとなる。

【おもな内容】
はじめに――SDGsは「大衆のアヘン」である!
第1章:気候変動と帝国的生活様式
第2章:気候ケインズ主義の限界
第3章:資本主義システムでの脱成長を撃つ
第4章:「人新世」のマルクス
第5章:加速主義という現実逃避
第6章:欠乏の資本主義、潤沢なコミュニズム
第7章:脱成長コミュニズムが世界を救う
第8章:気候正義という「梃子」
おわりに――歴史を終わらせないために
補考――オーバーシュートと進歩の終わり

【著者略歴】
斎藤幸平 (さいとう・こうへい)
1987年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科准教授。ベルリン・フンボルト大学哲学科博士課程修了。博士(哲学)。専門は経済思想、社会思想。Karl Marx’s Ecosocialism:Capital,Nature,and the Unfinished Critique of Political Economyによって権威ある「ドイッチャー記念賞」を日本人初、歴代最年少で受賞。『人新世の「資本論」』(集英社新書)で「新書大賞2021」を受賞。

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Posted by ブクログ

大変面白かったです。資本主義を修正するのでなく、根本から資本主義を変えて地球を環境破壊から守ろうという壮大な話です。
マルクスの資本論をここまで分かりやすく咀嚼して、現代に甦らせられる日本人の方は他にいないんではないでしょうか。
ただし、環境保護軽視への世界的な揺り戻しもあり、資本主義を抜本的に変えるのは生半可な事ではなく、本書で道半ばだった思想が、近著「人新世の黙示録」において続きが語られるそうです。
現代人必読の書ですね。

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2026年05月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「資本主義の限界」を、環境問題の観点から整理し直した本。

便利になっているはずなのに、なぜ人は豊かさを実感しにくいのか。なぜ経済成長を続けるほど環境破壊が進んでしまうのか――そうした問いを、「人新世」という概念を通して説明していた。

大量生産・大量消費によって生活は便利になった一方で、人間は常に競争や効率化に追われ、環境負荷も限界に近づいている。その構造自体に、現代資本主義の問題がある。

一方で、後半の「脱成長コミュニズム」については、正直まだ理想論にも感じた。国家規模・グローバル規模で本当に実現可能なのか、自分の中ではまだイメージし切れていない。

ただ、

* 消費や競争だけが豊かさなのか
* 本当に必要なものは何か
* 成長を前提としない社会は成立し得るのか

を疑問提起していることに意味がある。

また、資本主義だけでは格差や環境問題に対応できないからこそ、社会福祉のような仕組みが必要になっている。

とはいえ、現実には資本を持つ側がより有利になりやすい構造があるのも事実。r > g のように、資本収益率が経済成長率を上回る限り、資本を持つ人ほどさらに有利になる。

今後、我々はどのような社会構造を目指すべきなのか。その問いを考える上で、非常に重要な一冊。

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2026年05月24日

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