【感想・ネタバレ】あいがはてたらのレビュー

あらすじ

運命的な出会いを経て結ばれた詩白と全武。大切な友人を失い、深い喪失に沈む詩白のために、ある日、全武が作り出したのは、亡き友人を再現した「AI」だった。
その存在を境に、寄り添っていたはずの夫婦は、少しずつ、しかし確実に歪みはじめる。
「この家は静かだ。愛はきっともう果ててしまった。 だけど、たまに生きているみたいに息をする」
喪失と執着、善意と支配の境界で揺れる、いびつで不器用なふたりの愛の物語。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

【あらすじ】

君の失くしたものは、僕がAIで作ってあげる。

運命的な出会いを経て結ばれた詩白と全武。大切な友人を失い、深い喪失に沈む詩白のために、ある日、全武が作り出したのは、亡き友人を再現した「AI」だった。
その存在を境に、寄り添っていたはずの夫婦は、少しずつ、しかし確実に歪みはじめる。
この家は静かだ。愛はきっともう果ててしまった。 だけど、たまに生きているみたいに息をする」
喪失と執着、善意と支配の境界で揺れる、いびつで不器用なふたりの愛の物語。


『椿の花が落ちるように、命はその場にストンと着地していた。』

『正しいことしか知らん人になってもうたら、優しい人にはなられへんで。』

『ティッシュをすかさず渡したり、「大丈夫?」と声をかけるでもなく、ただそこにいることで、私の感情の揺れをまるごと許してくれていた。』
→泣いている人に対する対応。

『出会ってしまった。本当に忘れたくない人に出会えたとき、人は"出会ってしまった"と感じるのだと、このとき初めて知った。世の中の正しい、正しくない、なんてものはどうでもよくなってしまう。ただこの人が欲しい。このまま誰もいない状況にかこつけて、彼に抱きついて唇に噛みついてしまいたい。』

『生きているということは、いつか終わるということ。』

『愛されるのが上手い人は、"いつだってその場を去れる勇気がある人"なんだと思い知らされる。』

『ありがとう、より、ごめんね、が先に出てくるようになった恋の未来は長くないことを、私は知っている。』

『どうでもいい連絡は、どうでもいい人とはしゃんもんやから。ハッとした。そうだ。用件のない連絡こそが、最も贅沢な愛情表現なのだ。』


【個人的な感想】
ハッピーエンドが嫌いな私が、嫌じゃないハッピーエンド。
サラッと始まってそっと話が終わる感じが読んでいて心地よかった。

0
2026年06月14日

Posted by ブクログ

この世で上手く生きていくためには可愛げが大事。この世でひとりを夢中にさせたかったら色気が大事。できる限りでいいから、ご機嫌に生きていってね。

正しいことしか知らん人になってもうたら、優しい人にはなられへんで。

香りというのは、非言語的で非可視的な情報でありながら、最も本質的な記憶のトリガーだと思うんです。視覚や聴覚は理解を要するけれど、嗅覚だけは、受容が先行する。ピンとくるってやつですね。

出会ってしまった。本当に忘れたくない人に出会えたとき、人は出会ってしまったと感じるのだと、この時初めて知った。

生きててよかった、っていう感覚って、人から与えられるものだと思われがちだけど、本当は逆で。生きててよかったなって、いつかの自分に言ってあげるために、人と関わり続けるんだと思うんだよ。

ありがとう、より、ごめんね、が先に出てくるようになった恋の未来は長くないことを、私は知っている。

どうでもいい連絡は、どうでもいい人とはしやんもんやから


好きな人は、ひとりだけがいい。欲を言えば、あなただけがいい。部屋に来るたび、詩白さんが言う「お邪魔します」がただいま、になったらどれだけ幸せだろうと思う。「またね」が無くなって、おかえり、いってらっしゃい、おやすみ、おはようになったら、どれだけ温かい毎日だろうと思います。

0
2026年06月05日

Posted by ブクログ

不安定な夫婦を描きながらも、力強い作品!最後どうなるんだろうとハラハラしながら読んだ。とにかく感情を言語化する力がすごくて、繊細などうしたら良いかわからない気持ちを言葉として届けてくれるから、自分の記憶や思い出が自然と頭に浮かんできた。

作者のMIYAMUさんは、小説家/脚本家でありながら、占い師としてviviで連載もしているし、WAKAというブランドの香水も販売している。めちゃくちゃ多彩なお方。かつては恵比寿で失恋バーを経営していたらしく、恋愛相談のスペシャリスト。

あらすじ。
美人で聡明な詩白(しろ)。それが原因で学生時代いじめられもするが、一人でも生きていける強さを持っている。都内の医科大学に進学し、美容外科医となる。30歳になった詩白は、大学時代一緒にラブホテルの受付としてバイトしていたおたえちゃんと再会し、彼女に連れられて行ったスナックで運命の出会いを果たすのだった。——「私はこの人が欲しくなる。その確信があった」

恋愛を経て結ばれた二人だったが、詩白のある喪失を機にその関係が壊れていく。詩白がしてほしいことと、相手が詩白のためにできること、その違いが大きな溝となり結婚生活はままならないものへと落ちていく。——「君の失くしたものは、僕がAIで作ってあげる。」

誰も悪くないのに、そう思いながらもすれ違いに胸を痛める、いびつで不器用な愛の物語。

0
2026年04月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

死者と会話ができるAIというSFのような、近い将来ありえそうなものの開発者。全武の深い愛情に感動したのと、ツインレイの話が素敵だった。お互いが出会った時から惹かれ合う確率なんて相当低いと思う。私にはそこまでの体験はないが、好きだと思った人が自分を好きになってくれることだって奇跡だと思う。そんな相手と一緒にいれていることに感謝をしないといけないと思った。あとは話さないと他人の考えてることはなにもわからない。何かを変えるには心のうちを素直に話す必要があると思った。

・この世で上手く生きていくためには可愛げが大事。この世でひとりを夢中にさせたかったら色気が大事。できる限りでいいから、ご機嫌に生きていってね。それで、たったひとりにだけ全体重を預けて弱音を吐いてみるの。

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2026年04月04日

Posted by ブクログ

男女の普遍的な愛と喪失の物語に
”AI”というテーマを織り交ぜた2026年の今だからこそ読みたい話。

改めてAIがもうSFフィクションとしてカテゴリ出来ないぐらい身近な存在になってることを実感。

なんでこんなに男性側も女性側も心理描写の解像度が高いんだという驚きと言葉選びの1つ1つにこだわりとセンスを感じて尊敬通り越して嫉妬。

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2026年04月07日

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