あらすじ
■金の小野
別れ話で口論となり、彼氏を奈良公園近くの猿沢池に突き落とした大学生の霧江。すると池から奈良時代の采女装束の女が現れ、彼女に選択を迫ってくる。「あなたが落とした彼氏は――」
■「私メリーさん、今から奈良県十津川村へ行くの」
グラフィックデザイナーの俺は、フリーランスへの転身を機に奈良県十津川村へと移住した。東京のワンルーム暮らしとは別世界の、のんびりとした生活に少しずつ馴染んできた矢先、スマホに非通知の着信が。「私メリーさん。いま、東京駅にいるの」
■シンデラレン
冴えないホテルマンの新出礼助は、家族との冷え切った関係に悩みながら夜の東大寺を歩いていた。大仏殿の東側に「猫段」と呼ばれる石段があり、ここで転んだ人間は猫になってしまうという。そんな伝説を思い出した礼助が、鳴り響く鐘の音に合わせて石段を登り始めたところうっかり足を滑らせて――。
■逆杜子春
大手ゼネコンの社長・御子柴俊春は、筋金入りのミニマリスト。しかし社長という立場が彼の理想を妨げていた。ある日、藤原宮跡で出会った僧侶のような老人が、俊春の「理想の暮らし」を叶える方法を告げる。「今日の午後三時ちょうどに、お前はきっと、お天道様の下に立っとるはずや。そのとき、自分の影の頭に当たる場所を、思いっきり掘れ」
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
奈良を舞台に、童話や都市伝説を基に面白くほっこりできる話。随所に出てくる奈良の各地にも心惹かれるし、奈良という土地に対するあったかい眼差しや、登場人物たちに対する著者の愛情も感じられるかな。
特にメリーさんがお気に入り。信頼しあってる兄妹っていいですね。
Posted by ブクログ
前作が面白かったので、こちらも購入。
名作文学のパロディ短編集の第二弾。今回は童話がメインの4作品。
話の中に奈良のテイストが見え隠れ。
面白すぎるし、センスが良すぎる。
どれも面白かったけど、杜子春×メガロポリス橿原は笑いながらも、少し考えさせられるシーンもあり。
読み終わると、奈良に行きたくなる本。
Posted by ブクログ
名作を土台にしているのは、前作の「今昔奈良物語集」と同じなのですが、どの作品も読んでいると、じわんと胸に温かいものが広がってくるんですよ。予想外の展開を見せるのも面白かったし、「あ、この表現ステキ」と思わせる箇所がいくつもあったので線をいっぱい引きながら読みました。
「作者のあをにまる氏、成長してるじゃん!」と、勝手に親戚のオジサンみたいなことを思ってしまうくらい、パワーアップしてます。氏の作品をもっともっと読みたい。
Posted by ブクログ
良県民の友達が多いこともあって「御当地ネタ」を知ることができたら
そう思って読破したので感想いってみよー
■奈良舞台のオムニバス
1話1話の長さが丁度いい
1話が大体50ページ前後ということもあって隙間時間で丁度読める
そんな長さで有り難かった。
全4話でありながらそれぞれの話に繋がりがないので
それぞれ自己紹介から始まってちゃんと着地できてるから
ごちゃごちゃしてなくてよかった。
■奈良成分について…
読んだ理由として奈良あるある+都市伝説を絡めた話を期待していた
その部分は正直ちょっと肩透かしだったのは否めないけど
奈良の主要都市はちゃんと登場するよ。
東大寺だったり十津川村だったり
そして十津川村ネタについては今度友人に会った時に聞いてみたい
都市部からだったら半日くらいの旅になってしまう…本当かな?
交通バスなのに休憩時間が存在するらしいので
ちょっとした「サイコロの旅」気分を味わえるかも知れないな。
■都市伝説部分について
金の斧銀の斧・こっくりさんだったりメジャーすぎるのを
ピックアップしてくるのが勿体ない気分に多少なってしまった
奈良にこういった心霊を含めたものって引き出しあんまり数ないのかな
和風ホラー方面でもっと楽しみたかったのがホンネです。
金の斧銀の斧だったら…座敷わらしとかの方が作品の雰囲気とマッチ
してそうな気がしたかな。
読んでいて「週間ストーリーランド」という番組を思い出した。
童話自体の内容も多分改変はしてないので先の展開を予想しやすい
それが良いか悪いかは人によるけどね。
■総評として
もうちょっとボリュームあっても良かった。
表紙にはシカが描かれてるけどほぼ登場しないのも勿体ない
奈良県民の人が読んだらもうちょっと笑える共感部分がある作品
なのかも知れません。