あらすじ
奈良への屈折した愛と、卑屈なユーモアが炸裂! Xアカウント「卑屈な奈良県民bot」中の人による古典文学パロディ集。
黒須は激怒した。友人を人質としてぼったくりバーに残し、奈良の実家へ現金を取りに夜通し疾走する(「走れ黒須」)。竹をメルカリで売っていた翁は、かぐや姫を拾い動画配信で広告収入を得るも、彼女が月の都の住人と知る(「ファンキー竹取物語」)。奈良公園で鹿を轢いた官僚・稲田が聞いたのは、ユーチューバーを志した高校時代の親友の声だった(「若草山月記」)。古典名作と奈良が交差する抱腹絶倒のパロディ短編集!
森見登美彦、応援!
ときには近代文学風、ときには歴史小説風、ときには童話風というように、あをにまる氏は多彩な音色を奏でている。(解説より)
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Posted by ブクログ
面白かった。何?このセンス。
文学作品のパロディ短編集。
クスッと笑えて、それぞれ元作品と奈良への愛が溢れてる。
奈良県民ではないけれど、奈良好きにはたまらない。
オリジナルを知らない話もあったけど、それでも楽しく読めたし、オリジナルの文学作品を読もうかなと思えた。
お気に入りは、ファンキー竹取物語、どん銀行員、耳成浩一の話。
Posted by ブクログ
日本のあの名作達を奈良県を舞台に現代風にアレンジしたパロディー短編集。
しかしながら、パロディーだからといって侮ってはいけない。
文豪のあのお方や名作のヒロイン、物語を変化球で楽しませてくれる
ストーリーもしっかりしており、笑いあり、涙あり、背筋もゾクッとさせられ、多彩な要素に次はどんな話かワクワク感が止まらない。
私は奈良県民ではないが十二分に楽しめた。
本当にどれもこれも面白くて甲乙つけがたくて悩んでしまう。
う~ん『走れ黒須』『奈良島太郎』も捨てがたいが「ガチの昔。竹取の翁といふ陽キャありけり」から始まる『ファンキー竹取物語』かな。
「雅なる文語体とパリピなる今様言葉の相交はりて、その疾走感たるや、いとをかし。わが魂ぶち上がりけり」(文語体をまねて感想かいてみた)
あと、『若草山月記』
主人公の変わり果てた姿は「人喰い虎」ではなく、何と奈良の名物で煎餅好きな、まさかのあの動物。
想像するとちょっと可愛らしい。
結末も切なくも心あたたまる話だった。
『うみなし』
「ナラムボンが笑ったよ」
えっ「ナラムボン?」何だよそれ!
面白すぎだろ。
原作に沿った童話の世界観とパロディの筆致が逸脱。
この本は単なるパロディ小説ではない。
本書を読むと不思議と「原作も読んでみたい!」という気持ちにさせられる。原作を読み直し「あー、ここが元ネタか」 と突っ込みたくなり、名作達の敷居がちょっと低くなった気にさせてくれる「いとをかし」な一冊。また積ん読が増えそうだ。