あらすじ
「大丈夫なふりをしたことがある、全ての人に読んでほしい」高瀬隼子(作家)
中高一貫男子校で教員として働く鍵岡奏。
女性が極端に少ない職場で、
彼女はまるで「珍獣」のような存在。
無秩序で制御不能な生徒たちに翻弄され、無神経な同僚に削られながら
壊れかけギリギリの日々を過ごしている。
ある日、心の拠り所にしていた先輩教員から発せられた一言から歯車が狂いだす ……。
社会に絶望しながらも、もがき生きる人間のリアルを圧倒的解像度で綴る。
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Posted by ブクログ
中高一貫の私立校に勤める奏の、仕事とプライベートが描かれていく。真面目な性格の奏は、男子校という環境の中で多くの葛藤を抱えながらも、職務を全うしようとする。その一方で、職場の管理職と不倫関係にあり、さらに学生時代に想いを寄せていた相手と交際している友人とルームシェアをしている。実家の両親からも一人前として扱われず、奏には無条件に受け止めてもらえる場所がない。
そんな状況に置かれた奏を思うと、読んでいるこちらまで息が詰まり、苦しくなる。それでも、最後に奏が本音をぶちまける場面では、自分のことのように爽快な気持ちになった。
奏の言葉を聞いていると応援したくなるが、本来それは特別なことではないはずだ。彼女の願いが「当たり前」として通る世の中であってほしいと思う。