あらすじ
どちらが死ぬか。兄か妹か、両方か。
「ことば」が流れる不思議な川を抱く金沢で、十四歳の少女・八千草忠生は美しい兄・笹生と寄り添い、支え合いながら生きていた。しかし八千草一族にかけられた「こうけちさん」と呼ばれる神様の呪いが、兄妹の人生に暗い影を落としはじめ……。
一方、約百年に亘り一族に引き継がれてきた絶対死の呪いを解明すべく勇気をもって行動する者たちの姿があった。
死を糧にして異様な推進力を発揮する二つの物語。呪われた運命を変えるべく絡み合い、驚異の展開を繰り広げる。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
タイトルからはどんなお話か想像がつかず、
どんなお話なのだろうかと読み進めると
怪異ホラーだったので少し驚きました。
すごく病弱な妹と、支える兄。
早死にしていく家族たち。
早死にの理由は一体何なのか。
それを突き止めようとする父。
兄妹を冷遇する祖母。
そして明らかにある兄から妹への感情。
笹生たちの家族だけではない。
息子を生かすために、自らの残りの人生を捧げ真相を探る母親。はたまた自らは奪った者だと自覚して生き、娘だけは間に合うかとしれないと望みをかける母親。
読めば読むほどいろんな人の想いが刺さってくる作品でした。
終わりに辿り着くまで、何人もの人が亡くなってしまったので、ハッピーエンドと捉えるかは人によるのかもしれませんが、私は兄妹がこれからも歳を重ねていくことに安堵しました。
伊咲も生き残れてよかったと思います。
そしてもっと忠生と長牛の馴れ初め(?)が読みたかったです!
Posted by ブクログ
一章を読み終えて、めっちゃおもしろい!となって、ちょっとでも空いた時間があれば読み進める感じで、没頭して読めました。
家系図が出てくる小説は初めて読んだかもしれません。確かに家系図がないと、理解できないぐらい入り組んだ話ではありました。
でも、そこがおもしろいところでした。
一族の背負った呪いと祝福。
こういう一族に限った話は意外と今まで出会ったことなかったと思うのですが、実はかなり好きだということが分かりました。新しい発見です。
村の因習モノが好きだから、それが更に一族に局所化したと考えれば、根っこは同じなのかもしれません。
あとがきにも述べられているのですが、テーマの一つとして「ことば」というのがありました。
ネタバレしたくないので詳しくは述べませんが、ことばのもつ力や儚さ曖昧さ、などについて改めて実感させられました。
あと、「名前」についての解釈も納得でした。
世界観も面白かったです。
基本、この現実世界がベースになっているのですが、なんだかちょっとだけ異なる常識があるんですよね。
冒頭から登場するので述べますが、ことばが流れる川が出てきます。その川を流れるのは水ではなく言葉なんです。なんじゃそりゃって感じですが、この小説の世界ではそれが普通みたいで学校でも習うそうです。
他にも現実にはない存在が大小あって、他の作品ではあまり見られないような独特の世界観が成立していて、そこも楽しかったです。
ミステリー要素もふんだんに盛り込まれていたので、読む手が止まりませんでした。
ちなみに、呪いが話の軸になっているので、ジャンルとしてはホラーなんだと思うのですが、怖い要素はあまりないです。
ホラー苦手な方にも読んでもらいたいなぁ。世界観が独特なので、普段ホラーを読まない人でもバッチリはまる人もいると思うんですよね。
いろんな人に読んでもらいたい作品でした。