【感想・ネタバレ】名探偵の生まれる夜 大正謎百景のレビュー

あらすじ

歴史的偉業の裏には、誰にも語られなかった「事件」が隠されている。
『乱歩と千畝 RAMPOとSEMPO』が話題を呼んだ、青柳碧人の大正ロマン×ミステリー!

大正五年、「探偵になりたい」と探偵事務所の門をたたいた青年が遭遇した重大事件。
大正四年、アメリカより一時帰国した野口英世の前に現れた自称・娘を巡る一騒動。
大正七年、芥川龍之介が解き明かす、さえない男の恋を叶えた願掛けの謎。
大正七年、元・バンカラ学生が死後に推察した、偉大なる劇作家・島村抱月の秘した想い。
大正七年、与謝野晶子・鉄幹夫妻が大阪で遭遇した、絶体絶命の危機。
大正十四年、世界一有名な秋田犬・ハチと上野教授の一世一代の大捕り物。
大正十三年、遠野で花子という少女が出会った、不思議な言葉を話すざんだ坊主の正体は。
大正十二年、時代を経ていろいろな人の手を渡っていく紙人形「姉さま人形」の数奇な運命。

大正の偉人×不思議な謎を読み解く8編を収録!

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Posted by ブクログ

教科書やテレビなどで一度は目や耳にしたことがある、あのレジェンド達が勢揃い。
なんて豪華で贅沢なメンバーなんだ。
まさにオールスターの夢の饗宴。
しかもレジェンド達が探偵役となりちょっとした謎を解いていく。

本書は史実とフィクションを交えたifの世界。
なんだけど、読み進めると不思議とフィクションと史実の境界線が分からなくなってくるから面白い。
特に平井太郎こと江戸川乱歩の話なんか、「乱歩ならやりかねないな」と思わされたり、あのノーベル賞受賞者の野口英世が浪費家で酒好きという教科書のイメージを覆すちょっとだらしなくて人間臭い姿や、芥川の名作誕生秘話、与謝野晶子や女優の松井須磨子などなど、どの話もユーモアがあり、驚きとワクワク感がとまらない。
史実の裏にあった本当の話なのではないかと錯覚に陥ってしまい、見事に著者の術中にはまってしまった。

驚いたのは一話一話独立した短編かと思いきや最終章の『姉様人形八景』では全ての物語が繋がって、ひとつの壮大な物語となっていく構成で、切なくもあたたかい余韻が残った。
大正時代の空気感を味わいながら、レジェンド達の違った横顔を垣間見ることができるちょっと贅沢な読書時間だった。

0
2026年01月14日

Posted by ブクログ

直木賞候補になった「乱歩と千畝」の
誕生前夜にあたる、大正時代を舞台にした短編集。

少し悪口っぽい言い方になるけれど、
名前を聞いたことがある人物がたくさん登場するだけで、
小説としての盛り上がりは控えめ。
その名前もこの時代を彩った人ではあるけれど、
現代人にどこまで通じるかというと限定的かもしれない。

明治時代は現代の社会を構成する基礎を作り上げたけれど、
大正時代は現代の社会を構成する思想を作り上げた時代かもな、みたいなことを思った。

0
2026年01月13日

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