あらすじ
本書は、経済学でも社会学でも使われる概念「制度」と社会学で主に使われる概念「再帰性」を分かりやすく検討して経済学と社会学の違いを際立たせ、社会学の目的や役割を明らかにします。考える過程を重視した社会学の入門・再入門としてとても魅力的。
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Posted by ブクログ
筆者にとっては心外かも知れないが、私にとっては「経済学」と「社会学」の橋渡しではなく、経済学(市場や制度、組織等)の「社会学化」に読める。経済学の領域にあるとみなされがちな問題群を社会学化することの、アクチュアルな意義、必然性を、もっと明確に打ち出して欲しかった…が正直な気分。実際、ギデンズに依拠しながら論考を進めている章(6章)がやはり生き生きしているように思える。文体は平易であろうと努めていることは伝わるが、決して平易だとは思えない。時に、脱線した文章が嫌みに響くこともあるし、使用されている言葉の水準が突如、難解になったりもする…。とはいえ、経済学を社会学の観点から視ること、制度(論)について理解の手がかりを得ることができる点は素直に良かった点。経済学における「取引費用」の議論など、なるほどなーと思わされた。巻末の文献案内も親切で好感がもてる。★としては、3.5くらい…という感想。