【感想・ネタバレ】不知火判事の比類なき被告人質問のレビュー

あらすじ

フリーライターの湯川和花は殺人事件のルポ取材で裁判を傍聴する。シングルマザーの母親が30代無職の娘に絞殺された。娘は犯行を認め何事もなく結審すると思われたが、衝撃的な逆転劇を目の当たりにする。左陪席の不知火春希裁判官が最後の質問で、被告人しか知りえない心の闇と家族の真実を指摘して公判を振り出しに戻してしまう。公判資料と被告人の証言や所作だけで、隠された真実を白日のもとにさらす不知火の質問は「他に類を見ない」と法曹関係者の間で囁かれていた。5つの衝撃的な裁判を収録した連作短編集。

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Posted by ブクログ

ネタバレ




『不知火判事の比類なき被告人質問』




はじめまして!! 矢樹純さん!


面白かった〜♪
すごく引き込まれました〜⸜(*ˊᗜˋ*)⸝



帯にね…
「有罪も無罪も超越した異次元の真実」
元裁判官『ひるおび』コメンテーター
八代英輝氏も絶賛!
……ですって(*´艸`)


みなさんは…帯って気にします?
私は結構 気にする方なんですよね
帯で左右されることもあります( •̀ᴗ•́ )و ̑̑
単純ですもん♪



さてさて…
こちらのお話は五章からなる連作短編集



読んですぐに…法廷もののドラマを見ているような
気分になる程入りんでしまいました
これ、裁判になるよね!( •̀ᴗ•́ )و ̑̑みたいな…
事件が起こります


裁判ものって、意外と好きなんです♥
裁判官、検察官、弁護士、被告人が登場して
難しいことを ワチャワチャっとやるでしょう?
難しい専門用語だったりも…
わんさか出てきたりして
ちょっと敬遠しがちでした…正直言うとね
小説よりも 「リーガル・ハイ」見て、
我慢すっか みたいにね 思ってたんです(๑•̀ㅂ•́)و✧

が、しかしであります。

「ちよっと 難しいな」 …って思う
私みたいなんでも、置いていかずに
寄り添ってくれる感じがGood!!(´▽`)


難しい裁判を傍聴するのが
「刑事事件のルポルタージュ」なんて初めての
フリーライターの【湯川和花】です
和花ちゃんとお勉強するかのように…
丁寧に裁判を教えてくれます♪

傍聴マニアも出てくるんですよ(*´艸`)
野球帽を被った大野さん と
ウエストポーチに半ズボンの坂上さん。
最初は警戒していた和花ちゃんも
だんだん2人と友好的に裁判の情報交換等で
お茶したりと 何かと楽しそう⸜(*ˊᗜˋ*)⸝

優雅な響きとよく通る声の
スリーピースの弁護士 【尾崎篤彦】

そして、忘れてはいけないのが…
法曹界でも《他に類を見ない》
被告人質問をする【不知火判事】…で

この…

「二人分の殺意」
「生きている理由」
「燃えさしの花弁」
「沈黙と欺瞞」
「書けなかった名前」

五つの事件を収まるところに収めてくれるんです!

読みやすくって……
できれば シリーズで読みたいなぁ ( •̀ᴗ•́ )و ̑̑

皆さんも気になったら是非読んでみてね♡♥♡

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2025年12月19日

Posted by ブクログ

矢樹純『不知火判事の比類なき被告人質問』双葉文庫。

何とも奇妙なタイトルで大いに興味を惹かれてしまった。

主人公は極めて突飛な質問をして、隠された真相を白日のもとに曝してしまう不知火春希判事で、その狂言回しをフリーライターの湯川和花が演じる五章から成る連作形式の作品であった。

これまで読んだ矢樹純のイヤミスとは全く違う路線の作品であることに驚いた。

『第一章 二人分の殺意』、『第二章 生きている理由』、『第三章 燃えさしの花弁』は柚月裕子か薬丸岳の法廷小説並みの面白さがあったのだが、『第四章 沈黙と欺瞞』で失速、最後の『第五章 書けなかった名前』で挽回出来なかったようだ。

それでも高いレベルの作品であることは間違いない。


『第一章 二人分の殺意』。もしや、このパターンで五章が描かれるのかと思うとワクワクするようなストーリーだった。フリーライターの湯川和花は知り合いのライターに頼まれ、ピンチヒッターとして殺人事件のルポを書くために裁判を傍聴する。裁判はシングルマザーの佐伯昌子に育てられた30代で無職の汐美が妹の美波のためにと昌子を絞殺した事件であった。汐美はあっさり犯行を認めて結審すると思われたが、左陪席の不知火春希判事が最後の質問で、被告本人しか知りえない事実を指摘して公判を振り出しに戻してしまう。不知火の言う『二人分の殺意』とは。

『第二章 生きている理由』。これもまた天地がひっくり返るような逆転劇が描かれる。足場施工会社を経営する多田賢司は経営難を苦に元請けの鹿島建設の社屋の6階から飛び降り自殺を図るが、下に居た鹿島建設社員の三条修にぶつかり、2人とも大怪我を負うものの命は助かる。多田に対する裁判で不知火判事は再び突飛な質問を投げかけ、事件の真相を明らかにする。再び裁判を傍聴したフリーライターの湯川和花は不知火判事に並々ならぬ興味を持つ。

『第三章 燃えさしの花弁』。提出された証拠から真相を炙り出す不知火判事の鋭い眼力。フリーライターの湯川和花も見事な推理力を発揮してみせる。エステティックサロン運営会社役員の秋葉隆介の部下で不倫相手の吉沢愛華が秋葉を殺害した事件の裁判。三度、湯川和花の目の前で、不知火判事が事件の真相に迫る質問を投げかける。

『第四章 沈黙と欺瞞』。これはミステリーの謎解きの方に走ったためか、ちょっと苦しかった。それでも、不知火判事のことが少し明らかになる辺りは興味深い。また、湯川和花の推理力が発揮されるが、『第三章 燃えさしの花弁』がその伏線だったようで、見事に不知火判事の鋭い質問にひっくり返される。伊坂大智が裏社会の2人を殺害し、金銭を強奪した事件。

『第五章 書けなかった名前』。何とフリーライターの湯川和花も当事者となり、湯川に裁判傍聴の仕事を譲ったライターが被告となった殺人事件の裁判で不知火判事が他に類をみない質問を投げかけ、全ての真相を明らかにしてしまう。不知火判事に隠された何らかの事実が最後には明らかになるのかと期待したのだが、何も無かった。

本体価格780円
★★★★

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2025年12月20日

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