あらすじ
新型コロナ感染後、生死をさまよい退院するも、しつこい後遺症に悩まされる日々。旅には出られず、友と生ビールは遠く、自らと向き合えば今までと何かが違う――。若き頃から抱える“失踪への衝動”を携えてシーナが放つ、パンデミック下のサイアクときどきサイコウの1年の記録。〈WEB-MAGAZINE集英社 学芸の森〉で好評連載中の「失踪願望。」、2021年4月~2022年6月の日記に加え、壮絶書き下ろし「新型コロナ感染記」、盟友・野田知佑氏ら、自らの人生に大きな影響を与えた男たちへ捧ぐ「三人の兄たち」の2編を収録――「自分の日記なのに興味深い・・・・・・浦島太郎的な気分である」(椎名誠)
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Posted by ブクログ
本をあまり読まなかった頃、椎名さんの国分寺書店のオババやあやしい探検隊シリーズなどのエッセイを良く読んでいた。
久しぶりの椎名さん。
ビックリした。
当たり前なのだけれど、歳とってる……。
え?あのシーナさんがおじいちゃん?
81歳、そうか、親世代だもんな、そりゃそうですよ。
四半世紀ぶりに会った感じで、だからビックリしちゃったけど、文章の端々にそーそーこの感じ!とシーナさんを感じる部分もあって、一気に読んでしまった。
エッセイと岳物語とガクの冒険は読んだことがあるけどもSFはアドバードで挫折した記憶があるなぁ。私の中では、作家というより探検隊のヒトなのかもしれない。
Posted by ブクログ
祝日、ドラクエ1&2をやりたかったのだが
「映画見に行きたい」と言われ出掛ける
まったく興味のない映画(タイトルは伏せておく)だったので近くの本屋でこれを買い、モスバーガーへ行き読む
かなしい
僕はとても悲しい哀しい
あの、椎名誠がコロナで生死を彷徨い
カテーテルで排尿し、紙おむつに便をされている
しかも、大変真面目な文体で。
ああ、本当に駄目かもと思ったらここまで大人しくなってしまうのか
僕は憧れていた
ガハハハと笑いながら気のいい仲間たちと酒を飲み、馬に乗り、山を登り、海に潜り、砂浜で相撲を取り、なんでもかんでも入れた鍋を「うめえ!ガハハハ」とまた酒を飲む
男の憧れだ
その椎名誠が奥さんに「何言ってるかわかんない」
と言われている
是非このへんのくだり、本人の無力さと周りの容赦ない老人扱い、あんた死ぬよという空気読んでほしい
豪快だったからこそのこの本の静けさ
歴史が、この本を悲しくさせている
お陰でいつもよりスパイシーチリドッグが辛い気がする
コーヒーがぬるくなるのが早い気がする
そっと本を閉じ、表紙を見つめ
僕もこんなふざけて生きてるけど死ぬんだな
とこぼれたピクルスを見つめていたら電話
「おい早く迎えに来いよ」
死ぬのは今夜 なのかもしれない