あらすじ
こんな顔、もううんざりなんだよ!
過剰に整ったルックスのせいで、
周囲の嫉妬と反感を一身に集める女子高生マッド。
いじめも炎上も停学も、美しすぎる代償――
なんてことが、あってたまるか!
十代の揺らぐ心と無意識のルッキズムを鮮烈に描き出す、会心作!
「これって全部、あたしが悪いの?」
県立第一高校に通う槙島朱里ダイアナは、名前の頭文字をとって「マッド(MAD)」と呼ばれている。圧倒的なその美貌は、周囲のあらゆる感情を刺激し、波乱を巻き起こしてきた。
敵視してくる女子グループ、媚びる男子勢、勝手に炎上するSNS、学園祭の入場制限……。
「これ、マッドのせいだよな」「調子乗ってんじゃねえよ!」心ない言葉を浴びせるクラスメイトたちだが、マッドが心のうちに抱え込む怒りと哀しみにふれたとき、自らの偏見とエゴに気づかされて――。
見た目から逃れられない若者たちの葛藤を描いた青春群像!
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Posted by ブクログ
①ルッキズムに囚われてるキャラクターたち。
(本作でわかるのは、美しい美貌を持っている人に、自分の顔や体型にコンプレックスを持っている人、どちらも悩みを持っているということだ。)
私は、自分のルックスをいいと思ったことはないし、整形するまで、もっと良くしたいと思ったこともない。
でも、私は見た目がいい人より、マッドのように、「嘘がなくて 、正直で、揺るぎなくまっすぐで、自分をよく見せようと思わない」ような内面が磨かれている人の方が美しい人だと思う。
②馬淵の答辞が素晴らしかった。
● 「恋には、恋愛だけでなく、季節に思いを寄せるという意味があります。わたしはこれから死ぬまでずっと、この青春という荒れ狂う季節を思い続けます。」
この言葉を読んで、馬淵が、高校でマッドや佐々木という友人と出会えた素晴らしさを思い出してくれる。
読後感のいい、素晴らしい1冊だった!
是非おすすめの作品です!
Posted by ブクログ
一体どんなイかれた登場人物が…!と
思いきや、ものすごい美少女。その美しさとMADというニックネームから色眼鏡で見られ、本人の知らぬところで、噂され悪意に晒されている。
MAD自身もそれに気づいているからこそ、
悩み葛藤している姿をみて、美しくとも普通の女の子だなあと思いました。
そんなMADが季子という、容姿で噂される同じ悩みを抱えた少女に出会った時の救われた気持ちは大きいだろうなと思いました。特に季子を悪く言われたから殴る、という点に大きく表れている気がしました。
MADの物語だけど、季子視点の話があるからこそよりMADと季子のお互いの感情が伝わってくるなと感じます。