あらすじ
2020年3月の熊本県知事選挙から2021年8月の横浜市長選挙まで、新型コロナウイルス禍に行われた全国15の選挙を、丹念に取材した現地ルポ。「NHKが出口調査をしない」「エア・ハイタッチ」「幻の選挙カー」など、コロナ禍だから生まれた選挙ワードから、「スーパークレイジー君」「ふたりの田中けん」など、多彩すぎる候補者たちも多数登場! 文庫化にあたり新章「2024年東京都知事選挙」を書き下ろし。――選挙取材歴20年以上! 『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』で第15回開高健ノンフィクション賞を受賞した著者による“楽しくてタメになる”選挙エッセイ。
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Posted by ブクログ
一貫して全ての候補者に対してリスペクトをもって接している畠山さんに尊敬の念を抱かずにはいられない、それが読後最大の感想です。
私のような下衆な者は、どうしてもネームバリューや目立ち加減で勝手にフィルターを通して見てしまいがちで、俗にいう「泡沫候補」については政見放送や選挙公報を一瞥して(全くしないことも…)おしまいにすることが多かったけれど、今回本作を読んでその姿勢をあらためなくちゃと思わされました。
それは、自分の上辺感を省みるということだけでなく
「しっかり追うと、こんなにも興味深いことが色々わかるのか」
「突飛もない公約に思えても(その人が当選しなくても)後々活きることもある」
という驚きを、自分も実体験したいという好奇心を刺激されたからと言えるかもしれません。
特に地元・千葉県知事選の漫遊記、投票に行ったはずなのに知らなかったことが多すぎてクラクラしました。
個人的には、名古屋市長選の太田候補、東京都議会議員選挙の宮瀬候補、戸田市議会議員選挙のスーパークレイジー君こと西本候補の話が特に興味深かったです。
そして、この時期(2025年暮れ)に2021年の兵庫県知事選挙の漫遊記と2024年の同選挙についてのあとがきを地続きで読めたことは、二馬力選挙や情報の受け取り方について改めて考えさせられるきっかけになりました。
Posted by ブクログ
選挙への関心を少しでも高める、という大義はいささかもブレることなく、「啓蒙」本としての役割を充分果たしつつ、その大義の旗の下で、結構自由に書くことを楽しむ著者がいる。読んでいて気分が明るくなる。是非続編をお願いしたい。選挙のたびに「分断」が殊更に語られる今こそ、それが必要な時だと思う。