あらすじ
注目を集めたウェブ連載に、
書き下ろしを加えた待望の書籍化。
語られてこなかった女性歌人たちのレジスタンスを、
現代によみがえらせる。
『はつなつみずうみ分光器』の著者が挑む、
女たちの群像伝記エッセイ。
* * *
「きちんと目を向けさえすれば、ちゃんとわかることなのだった。
彼女たちの存在も、彼女たちの歌の価値も。」
――本書「はじめに」より
1949年、女性だけの短歌結社「女人短歌会」と歌誌「女人短歌」が誕生した。
戦後短歌において独自の場を築き、数多くの才能を送り出してきたにもかかわらず、
彼女たちの活動は十分に顧みられてこなかった。
短歌をはじめ、さまざまな表現領域に光を当ててきた著者が、
男性優位の世界に抗いながら独創的な歌を詠みつづけた女性たちの姿と作品、
知られざるシスターフッドの軌跡を、
時を越えて鮮やかに描き出す。
「この本を読むあなたたちへ。
彼女たちの声も歌も、
おそらく未来のあなたたちに捧げられている。
絡みあった複雑な旋律を、
どうか、耳を澄まして聴いてほしい。」
巻末には、登場する女性歌人たちの作品から著者が選出し、
一首評を加えた精選120首のアンソロジーを収録。
【著者略歴】
瀬戸夏子〈せと・なつこ〉
1985年、石川県生まれ。歌人、批評家。著書に、歌集『そのなかに心臓をつくって住みなさい』(現代短歌社)『かわいい海とかわいくない海 end.』(書肆侃侃房)、評論集 『現実のクリストファー・ロビン 瀬戸夏子ノート2009-2017』(書肆子午線)、歌集ガイド『はつなつみずうみ分光器 after 2000 現代短歌クロニクル』(左右社)など。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
戦前、短歌において女性歌人はなにをどう詠んできたか。
今よりも不自由な時代に、表現は遥かに自由で驚く
(不自由な時代だから相対的に輝いてるわけではないだろう)
今はSNS含め有象無象の表現が溢れ、文化の輪郭は見えにくくなってるのかもなぁ