あらすじ
日常の小さな怪異。それは時に恐ろしく、時にファンタジー、時にはSFのような…。人間が一番怖いのは人間、でも一番愛おしいのも人間。時代も空間も様々な舞台で展開する心に沁みる読切ショート作品集。
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Posted by ブクログ
47篇の短編集。短編というより掌編だよね、と思う。
内容は、どれも人間関係の機微を、わかりやすそうでわかりにくく、それでも万人に刺さるものがあるという、これがいい!と大見得切って言うには難しい雰囲気。
それぞれの掌編の「刺さる」が、読んだ人それぞれで違うものがあって、それは「刺さる」深さだったりするんだろうな、と思います。
琴線に触れるのか、心胆震わすのか、鳥肌が立つのか、肌が粟立つのか。
読んだ人の数だけ、違う感動が生まれるのだろうけども、共通の感覚が根底にないといけないのかな。読む人を選ばないけど、読む人は選ばれてしまうかもなぁ、というような不思議な感じの一冊。
感情を仄めかす。それに気づけるのか否か。気づいた先の共感に至るか否か。
読めば読むほど味が出るのかもしれない。
登場人物誰もが自然な距離感を保っているので、嫌悪感がないのが良いですね。その毒気のなさが読ませる力だけど、そこから先の魅力にいくのを止めてしまっているのかもしれない。毒気のなさが心地よいから。
微風にそよぐカーテンの動きに満足してしまって、小春日和の中へ外出しようとしなくなっちゃう、みたいな感じ。
わかりづらいか。