あらすじ
7年ぶりに会った父親の手で
「人魚のムニエル」を食わされた麗は、
不老不死の肉体となってしまった。
「これで病気の母さんとずっと一緒に暮らせるぞ」
そう身勝手に話す父へ、麗は告げる。
「母さんなら死んだよ。2年前に」
新鋭・志波由紀が描くホラー×人間愛の8篇。
感情タグBEST3
着眼点がよい
「悪魔二世」を読んで、独特な発想に感銘を受けた志波由紀さん。
この短編集も、作者特有の世界観が構築されている。
その世界観をベースに、表題作「人魚のムニエル」や「デリバリー地獄」ではヒューマニティの味付けがされていて、グイっと引き込まれた。
九井諒子短編集を読んだ時と似たような感動を覚えた。
志波由紀さん、追い掛けようと思う。
Posted by ブクログ
凄い名刺を受け取ってしまった気分です。
志波由紀先生。
どの作品も甲乙つけ難いです。好みだけで言うと表題作ですが、どれも淡々としているのに熱がこもっていて、読み手の鼻先までキャラクターが迫ってくる感じ。
デリバリー地獄(ヘル)も面白かった。どうしてこんな話が思いつけるんだろう、と不思議に思うくらい。
短編集の面白さを目一杯味わえる1冊でした。悪魔二世も読みます!