あらすじ
生後六か月で訪れた瀬戸内の島に,歌手になって再訪し,四半世紀以上,毎年,無料コンサートをつづける著者.療養所の入所者とかかわりを深めながら,人々が生きた証を音楽文化研究としてのこす挑戦も! いったいなにが彼女をそこまで駆り立てているのか? しなやか,かつユーモラスな文章で綴る,書き下ろし自伝的エッセイ.
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Posted by ブクログ
沢知恵さんの名前は知っていて、コンサートをされていることも知っていたけれど、行ったことはなかった。けれども、本書を読んで、早速行きたくなりました。
佐和さんの父親は東大を卒業した後、牧師となる。その父親は、おそらく戦後、初めて韓国に留学。そこで知り合った韓国の女性と結婚。そこで澤さんは生まれ、その後、韓国アメリカで過ごし、小学校3年生の頃、日本に帰国。高校2年生の時に、父親が癌で他界。家庭の経済状況を考えると、音大受験は諦めないといけないと思っていた。けれど、父親が亡くなる直前、「音楽やんなさいね、才能があってもなくても、あなたの好きな音楽をやんなさいね」と沢さんに伝え、東京芸大へ入学。
そんな父親は澤さんがまた赤ちゃんの頃、香川県にあるハンセン病療養所、大島青松園を訪れていました。父親が亡くなった後、1996年の夏に、父方の叔父に誘われて、大島青松園に行きました。そこから澤さんと大島青松園の繋がりが始まります。
その大島青春園のことや、他のハンセン病療養所のことなどが書かれているのですが、本当に素晴らしい一冊でした。
かかわらなければ
この愛しさを知るすべはなかった
この親しさは湧かなかった
塔和子さんのこの詩を大切にしている沢さん。「かかわらなければ」との想いで紡いでいったひととの関わりに胸が熱くなりました。