あらすじ
ちょっとちぐはぐ。だけどふしぎとあたたかい! 小田扉が描く、ありそでなさそな小学生の物語。/「ねえ あたし 友達がほしい」そんな言葉からはじまった、あけみとのぶえの毎日。そこには、大人の想像をはるかに超える出来事が…!? じわじわ笑えてクセになる、11編を収録!
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Posted by ブクログ
クセが強い、を通り越して、強すぎないか、が正直な感想だ、この『揃わない家族』に対しては。
決して、面白くない訳じゃない。小田先生の持ち味とも言える、独特なテンポ、独自の切り口、感性で描かれる、子供たちを中心にした日常には、笑える部分が多かった。
ただ、私は、この『揃わない家族』の面白さを、小田先生の他作品をしっかり読み込んでいるファンよりも噛み締められていない、そんな悔しさは、どうにも拭えないので、今後、小田先生の作品を全て読み返せたら、この『揃わない家族』を読んで、腹の底から笑えるんじゃないかな、と期待は膨らんでいる。
それにしても、小田先生に「うちで連載してくれませんか?」とお願いに行った、office YOUの編集さん、思い切りが良いなぁ・・・こう言っちゃなんだが、小田先生、女性誌のテイストに合う漫画を描く感じじゃないだろうに・・・・・・いや、だからこそ、新しい風を吹かせてくれる、と小田先生に白羽の矢が立ったのかな?
どの話も小田先生の味が出ているモノばかりだったが、私的に印象に強く残ったのは、この(1)の最後に収録されている第11話だった。この回は、第1話~第10話と違い、コミカルさが抑え気味で、どちらかと言えば、シリアスさが強い、まぁ、ざっくり言えば、重めだ。けど、そこに、人間のあるがままを描くのに長けた、もしくは、そう描きたい、と望んでいる小田先生の持ち味がしっかり出ているように、私は感じている。
この台詞を引用に選んだのは、友情って尊いな、と思えるものだったので。
男女間に友情は成立するのか、それは頻繁に聞くモノだが、私個人としては、人間と人間の間に真なる友情は成立しうるのか、そっちの方が気になっているタイプだ。
それもあってか、何となく、この台詞は結構、インパクトが強い、と感じた。
漫画だろ、と野暮なツッコミを入れられるのも承知だが、この三人の友情は出来るだけ長続きしてほしいもんだ、と願ってしまう。
「・・・最初の話を思い出せ。俺がワナにはめられた話だ。俺は、お前らを友達だ、と思ってる。友達は友達を破滅させない。ほんとにいいんだな?もう前を向いたら、振り返らず、本当に行くぞ。お前ら、ほんとうにいいんだな?」(by福尾)