あらすじ
22世紀には、営利を目的とした組織は姿を消していくでしょう。その廃墟から何が立ち上がっていくのか。それが本書の中心的なテーマです。
目次
第1部 遺跡巡りの旅
第1章 カイシャの起源
第2章 変貌するカイシャ
第3章 消えゆくカイシャ
第2部 変貌する組織
第4章 さまざまなる意匠
第5章 ビッグバンの一撃
第6章 自己組織化する宇宙
第3部 働き方の進化
第7章 ワークとライフの創発性
第8章 働き方の変遷
第9章 変態するヒト
第4部 未来を拓く
第10章 5つの未来シナリオ
第11章 今ここにある危機
第12章 カイシャがなくなる前に
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Posted by ブクログ
「オープン・イノベーションって、流行っている割には、失敗の山では~新しい市場創造に結びついたのは、世界的に見ても、ユニクロと東レの関係くらいだと、タカシ先生も昨年のイノベーションの授業で語っていましたね」
「実は、わたしがファーストリテイリングの社外取締役だったころ、柳井(正)さんに、東レとの関係をオープン・イノベーションの成功例と持ち上げると、笑われてしまいました」と、タカシ先生。
「実際、ヒートテックを生み出すのに、五年もかかったのです。それは、両社の間の高い志と太い信頼の絆、それに不屈の覚悟の賜物です。『オープン・イノベーション』などというチャラい関係性ではなく、『タイト・カップリング』とも呼ぶべき緊密な関係性が求められるのです」
「それはまだ、カイシャそのものが固体として閉じていた時代における関係性ですね」とペータが少しムキになって反論します。
「カイシャは長らく、市場という大きな海に浮かぶ孤島にすぎなかったといえるでしょう。そして、M&Aやアライアンスのようなタイトな関係、さらにはコンソーシアムのような緩やかな関係が、孤立したカイシャ同士を結び付けていくわけですね。
しかしカイシャが融解しだしていくと、異次元の関係性が生まれていくはずです。
個々のカイシャからネットワーク組織へと大きくパワーシフトしていくのではないでしょうか。未来考古学を標榜するわれわれも、そろそろ過去や現在から未来へと大きく視点展開していきませんか?」
イノベーションは異質なもの同士の結合によって生まれるのです。そして10のn乗の未知数が集まる場には、多様な創発が生まれる可能性があるんじゃないかな」
「タカシ先生的に言えば、超成長から異成長ね。最近は、スケールアップからスコープアウトへ、とも言っていますね」とトーモ。
「異質な知恵や才能がぶつかり合うことで、イノベーションの芽が生まれる。でもそれだけだと、0→1のクリエイターで終わってしまう。それを1↓10、すなわち、事業に仕立てるには、タカシ先生の言う『たくみのしくみ化』が必要ね」「それって、エンタメの世界でいえば、プロデューサーの役割ですね」とレキト。「作品全体の企画・制作を統括し、予算管理や関係者との調'を行う人財です」「では、10↓100は?」とペータ。「そうしないと、単なるニッチビジネスのオンパレードとなってしまう」
「それは、エンタメで言えば、プロモーターの腕の見せどころではないでしょうか」とレキト。「作品やアーティストを広く宣伝し、集客する役割を担う人財です」
「そうなると、カイシャも組織もいらないんだ」とペータ。
「クリエイター、プロデューサー、プロモーターの三種類の人財がそろえば、イノベーションを生み出し、スケールさせていくことができる。たとえば、僕ら三人が集まれば、それでコト足れりってわけだね」
「レキトがクリエイターだとして、わたしは何?」とトーモ。
「もちろん、一番知恵が求められるプロデューサーさ」とレキトが、持ち上げます。
「スケールさせることにこだわる僕は、プロモーター志望というわけ」「わたしにはプロデューサーの才能はないと思うけど」とつぶやくトーモに、ペータが畳みかけます。
「DNAを覚醒させればいいんだ!