あらすじ
上司への報告、トラブル対応、資料作成、他部署との相談調整、あらゆるシーンでもう困らない!
仕事の手戻りがなくなり、自分もまわりもうれしい!役所ならではの報連相の攻略法を教えます!
【こんなことはありませんか?】
・了承済だったはずなのに、上司から「なぜ報告しなかったんだ」と怒られる
・頑張って指示通りに資料を作成したはずなのに、上司の反応がイマイチ
・異動で上司が替わり、求める報告の仕方が変わって混乱している
・他の部署への問い合わせの際、うまく意思疎通できず相手を困惑させてしまう
本書ではこのようなお悩みを抱えた公務員のみなさんに、ちょっとしたことですが、驚くほど仕事がスムーズに回り出す方法を伝授します!
【この本で紹介する報連相のルール(抜粋)】
・報告の出だしで「例の件です」はNG!
・首長案件や議会案件は些細なこともとりあえず報告
・電話+協議録で「言った・言わない」の水掛け論防止に
1年目の人はもちろん、入庁してある程度経ち「報連相なんてわかってるよ」と思った人にも読んでほしい1冊です。
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Posted by ブクログ
本書は若手公務員に向けて「報連相」のスキルと仕事を円滑に進めるコツをまとめた1冊です。中堅職員やライン職(係長)の方にも、後輩職員に伝えたいノウハウが言語化されており、OJTや自分自身の振り返りに活用できる良書としてオススメできます。とりわけ、自治体で当たり前とされる「組織で仕事をする」などの概念が整理されており、職場ですぐ使える実践的な記載が秀逸です。
本書の中で印象深いポイントをいくつか紹介します。
「庁内調整は論破でない」には強い共感を覚えました。庁内調整や住民説明、更には組合交渉でも「話し合い」は「落としどころ」を見つけるために行っています。いかに完璧な論破を重ねても現実は何も進みません。頭を下げ、事例や根拠を積み上げ、お互いのイマイチをすり合わせながら、皆の事情を汲んだ案を作り上げていくのが大切だと改めて実感しました。
「問題解決のついでを持っておくこと」は心構えとして非常に重要です。ルールにはイマイチやクッション部分が含まれていますが、そこに困る人がいるのも事実です。強力なルールは仕方ないものとして放置されがちです。しかし、最近は130万円の壁(年収の壁)など今まで鎮座していた強力なルールの改正が続いています。多忙な日々に目が回りますが、担当として制度理解の時間を捻出し、運用の中でイマイチを感じ取り、改善チャンスを伺うという仕事のスタンスを忘れずにいたいものです。
「担当者は炒飯を極める。上司は中華のフルコースを食べる」とレクペーパー作成の表現が分かりやすく印象に残りました。レクは上司の判断を仰ぐものであり、担当者は情報を厳選して究極の炒飯を作ります。ポイントは上司がその情報をかみ砕けるか、消化して適切な判断が下せるかです。担当として情報を食材のように扱い、レクペーパーに仕上げる作業を調理とする例えが腑に落ちました。よく究極の炒飯として卵だけの黄金炒飯が紹介されますが、料理と自治体の世界にも多くの共通点がありそうです。
総括すると、本書は若手職員だけでなく中堅職員やライン職といった幅広い職層に刺さるノウハウ本です。具体的な事例と比喩を通じ、報連相だけでなく仕事の本質を分かりやすく解説しています。自信をもってオススメできる良書なのでぜひ一読ください。