あらすじ
生成AIを筆頭に新しい技術の進歩は増すばかりの昨今。SNSや検索エンジンなどの情報は「アルゴリズム」によって選別されている。しかし私たちはそのしくみを知らないままで利用していることも多い。アルゴリズムを紐解くことは、偏った情報摂取に気づき、主体的にメディアを利用する第一歩なのである。本書は、GoogleやAmazon、X、食べログなどを例に、デジタル・メディアやAIのしくみを解説。ブラックボックス化している内部構造への想像力を高めることを通じて、アルゴリズム・AIを疑うための視点をわかりやすく解説、提示する。メディア・リテラシーのアップデートを図る書。
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Posted by ブクログ
アルゴリズムの危険性を単純にSNSから離れましょうと警告するのではなく、複雑な生態系の実態から目をそらし、単純化した図式で物事を理解しないようにするため複雑な図式のまま理解する、そのこと自体に限られている認知資源を割く覚悟を持つことの大切さを説いている本です説得力があった。
情報過多で、限られている接触できるコンテンツのなかから、アルゴリズムにしたがって選択していくのではなく、フィルタリングされている選択肢であると自覚して使うようにしたい。
Posted by ブクログ
SNSのタイムラインは、ユーザの関心や操作履歴をもとに表示される情報が自動的に取捨選択されている。その選別はアルゴリズム(一定の計算手順)によって行われており、ユーザの注目(アテンション)を最大化することを目的としている。このような仕組みはアテンションエコノミー(人々の注意や関心を価値として扱う経済)と呼ばれ、SNSの収益構造と密接に結びついている。その結果として、ユーザが「信じたい」と感じる情報や感情を刺激する投稿ばかりが目に入りやすくなる。情報の選別が収益を目的とした計算によって行われ、さらに認知バイアス(思い込みや先入観)やエコーチェンバー(同じ意見ばかりが表示される現象)と結びつくことで、誤情報と正確な情報を見分ける力が鈍り、社会的な出来事や他者の意見を冷静かつ客観的に判断する力が失われる。
それを踏まえ、一般ユーザは自分がどのような情報を受け取っているのか、その詳細を意識しなくて済む社会を望みながら構築してきたという事実に気づくべきである。そしてそのうえで、エコーチェンバーがもたらす情報の偏りや分断の弊害を共有認識する必要がある。難しいけど面白かった。能登地震の時のインプレゾンビも酷かった。