あらすじ
織田信長に仕え、千利休に師事した古田織部。武人であり茶人としても名を遺した彼にはたったひとりの妻がいた。戦国武将・中川清秀の妹、仙。幼い頃に戦の混乱で家族と離れ離れになってしまった彼女は、叔父の城で少年高山右近と出会ったことをきっかけに、キリストの教えを心の支えとする。古田織部との政略結婚を通じて、二人は信長、秀吉、家康とめまぐるしく変遷する戦国の世を駆け抜けながら、共通する志を抱く夫婦となってゆく。二人が命と引き換えにしても守りたかったものとは──。
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Posted by ブクログ
千利休亡き後、武士の茶の湯を完成させた古田織部の妻、せんが、織部と語り合いながら、戦国時代から江戸幕府完成までの悲喜交々を描いたもの。下剋上や裏切りが相次ぐ中、今でいうコーディネーター役として権力者や有力大名と誼を通じ、茶の湯を通じて美や平安を実現しようともがき続ける。せんは、当時信者が急増していたキリスト教にも通じ、洗礼こそ受けなかったものの、十字架を抱いて祈ることも多かった。これも平安を求めてのことであるが、禁教令が強化されるにつれ、夫の立場に鑑みて信仰を伏せる。戦国時代にはなかなかない夫婦像で織部のことも学べたことは良かった。
Posted by ブクログ
最後ら辺、登場人物多過ぎて苦戦したけど、日本史あまり頭に入ってない自分でも読めたからすごく読みやすかった。
戦国の世で、武士として茶人として使い番としての夫織部とそれを支える妻仙の物語ではあるものの、2人の仲良しさが伝わる会話もあり、それもまた良かった。まさに、理想の夫婦。
読み進めると同時にこの会話は最後どうなるのかと思ったけど、最後から2ページぐらいで意味が分かって、分かった途端、涙(笑)
Posted by ブクログ
知ってるようで忘れている歴史のおさらいができて得した気分。物語の初めからおしまいまでが墓前の語りだったなんてやられたー だから織部パートはカッコ書きか、