【感想・ネタバレ】あかずめの匣のレビュー

あらすじ

その怪異は人を閉じ込めて殺す。すべての真実をあなたは解き明かせるか。

冠村には“窒息の家”と呼ばれる廃墟があり、「あかずめ」という怪異の言い伝えがあった。
離婚を機に地元の冠村に戻った介護と育児に追われる女性、後輩達と“窒息の家”に足を踏み入れた大学院生、
ある目的のために「あかずめ」の呪いを探る高校生、代々呪いを受け継いできた赤頭家の女。
「あかずめ」に関わった4人の物語から、呪いの条件を見破り、死を回避せよ――。

『ゆうずどの結末』が話題を呼んだ滝川さりによる、新たな体験型ホラー誕生!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

友人から呪われたかもしれない、と考える大学生の男性。本屋で、情報を得られそうな本を見つける。
タイトルは、「あかづめ」。
ー閉じ込めて窒息させて殺すー
その本は4章立てで、3章まではあかづめの呪いと関わった人達の話。

第1章は、離婚した後、母親の介護のために娘を連れて田舎に帰った女性の話。そこには、「窒息の家」と呼ばれ恐れられている廃墟があった。

第2章の主人公は、後輩たちと廃墟に肝試しに行った大学院生、友貴。一緒に行った後輩たちが次々に不審な"窒息死"を遂げてしまい‥。

第3章では、父親に死んで欲しい女子中学生が、教師から「ある呪い」を教えられる。それは、条件を満たすと対象者が窒息死するというもの。しかしその為には、自身が一度呪われた後生還する必要があった。

そして最後の章は、呪いを産み出してしまった家のなんとも陰惨な話。

冒頭の男性、なぜ友人から呪われるかというと、ちょっと一筋縄ではいかない、同情できなくもない経緯がある。本を読み終わり、呪いが発動する条件を必死に考察し、なんとか助かろうと足掻くのだけど‥でも‥ダメだった!
条件は間違っていなかったけど、解釈の範囲が大き過ぎて、こんなのから逃げるの無理なんだけど‥。

最後のページをめくったら、たった1行‥ヒェッ。
いやいや‥怖かった〜。

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2025年11月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この物語は、友人に「あかずめ」という言葉で呪われたと気づいた主人公が、偶然見つけた同名の小説を通して呪いの謎を解き明かしていくホラー小説です。

小説は、「あかずめ」というタイトルの4つの短編で構成されており、主人公は物語を読み進めながら、呪いのロジックを解き明かしていきます。

正直なところ、最後のオチは少し期待外れでした。しかし、全体的な構成はとても面白く、一気に読み終えてしまうほど引き込まれました。

ホラー小説としてだけではない魅力がある作品です。

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2025年08月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

期せずして第1章が直前に読んだ『赤い指』と被るけれど、こっちは救いがなくてつらい。最後まで読むと、第1章前の「あかずめ」のタイトルページから凝っていたことが分かる。またエピローグで解説されている、各章の仕掛けもなるほどという感じだけれど、背筋『近畿地方のある場所について』みたいに、自分ごととして「怖っ」と感じるほどではなかったかな。

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2025年08月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 作中作品は緩めな不穏がずっと続いていて、あんまり進展してないな…という感じが凄くした。
 ここで伏線が張られているかもしれないぞという感覚はあるので、「あかずめ」に対してある程度見通しはできるかもしれない。

 でも、この本の最大の価値は、やっぱり最後の最後に訪れる仕掛けだと思う。映画や音楽と違って、読み進める、読み終えるという自分の能動的意思が強いほどゾッとする。いい仕掛けだった。

 この感想を洗面所で、歯磨きをしながら書いている。風邪をひいていて鼻が効かないはずだったのに、いつの間にか酷く嫌な臭いに包まれている。

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2025年06月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

高完成度ホラーの『ゆうずどの結末』を越えるのは難しいんじゃないかと案じて読み始めたが…余計な杞憂に終わる怖おもしろさ!
時代がバラバラの四つの章に共通する怪異「あかずめ」の呪いが様々な登場人物たちに襲いかかる。人を閉じ込めて殺すという呪いの中身はシンプルで恐怖は薄かったけれど、誰が「あかずめ」の呪いの条件に気づいて生き延びるのかハラハラさせられる展開は非常にスリリング。
エピローグの『扉』と「もう出られません」にはやられた~!感が半端なかった。喜んでいる場合じゃないのに、喜んでしまうのはホラー好きのサガかw

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2025年05月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

怖い呪いの背景には悲惨で哀しい出来事があったために最強の呪いが出来上がってしまった。色々な事情を抱える人たちの救いになっていたり、呪いを解くためにミステリー要素も入っていたりで面白かった。最後の最後で本が閉じられなくなった。

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2025年04月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最後のエピローグで丁寧に全章の解説されているのが設定をちゃんと折り畳みたいという意思を感じてちょっと拍子抜けした。
随所随所に感じた濁した時事ネタ出す割に関係ないなあ、とか決定的なこと書いてないなあってところがトリックだったんだなあ…とは思うけどあかずめの呪い自体にあんまり関係ない気もしたな…

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2025年10月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「人を閉じ込めて」窒息死させる“あかずめ”なる女怪とその呪いに纏わる連作ホラー。ある人物が「あかずめ」というホラー小説を書店でふと手に取るという枠(匣?)物語の構成を取っている。

 作中作「あかずめ」はある地方の小さな村、冠村にある“窒息の家”と呼ばれる廃墟と“あかずめ”という怪異の言い伝えを巡る4編が載る。それぞれ、認知症の母の介護のため地元の冠村に戻ったシングルマザー(第一章)、“窒息の家”に肝試しで入った大学院生とその仲間(第二章)、異常な行動を繰り返す引きこもりの父親を呪い殺そうとする女子高生(第三章)、“あかずめ”の呪いを代々受け継いできた赤頭家の女(第四章)という内容で、“あかずめ”の呪いで命を落とす人々が描かれながら、呪いの実態や呪われる条件、回避する方法、呪いの正体等が少しずつ明らかにされていく。

「呪いによって人が次々と死ぬ」この手のホラー作品の場合、登場人物が呪いの発動条件や回避法、呪いの起源などの謎を解くことがメインとなる。本作は連作短編であって舞台と呪い以外登場人物も時系列もバラバラだが、各編を読み進めていくうちにその辺りが浮かび上がってくると云う趣向。その点では呪いテーマのホラー作品の正統派といえるが、各編の終盤にかけて明かされる登場人物たちの別の顔や隠れた本心が明らかになるという、いわゆる“人怖”な面でも読み応えがある。

 この著者の前作『ゆうずどの結末』以上に“本”という形式をメタ的な仕掛けに用いているのも面白い。

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2025年07月16日

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