【感想・ネタバレ】シュガーレス・キッチン -みなと荘101号室の食卓-のレビュー

あらすじ

【感涙のノベル大賞準大賞受賞作!】
――甘さがわからなくても美味しいやつ、作ります。

「甘味だけを感じられない」という味覚障害の大学生・茜。そんな茜が住むアパート「みなと荘」に、料理上手の男子高校生・千裕が引っ越してくる。彼がいつも振る舞ってくれる美味しいおすそ分けを食べるうち、少しずつ食事の楽しみを見いだしていく茜。優しくて健気な千裕の背中を見ていると、どうしても昔の愛犬・ちーちゃんの姿が重なってしまい・・・・・・。

一つの食卓が二人の過去を繋ぐ、ぬくもりと癒しの再生ものがたり。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

茜さんと千裕の過去には重い部分もあるけれど
ほっとする作品。
茜さんと千裕がもしもっと年が近かったらすぐに恋愛!!みたいな雰囲気になっていたかもしれません。しかしほどよく年が離れ、お互いでお互いを支えていた家族愛のようなあたたかさが胸にすっと入ってきました。ごはんを通して、心の傷を少しずつ埋めていく2人がとても愛おしかったです。
この作品はすごく素敵な終わり方で、続きができると野暮なのかもしれません。
でも個人的には茜さんや千裕、綾乃さん、志摩くんのその後も読んでみたいなと思いました。

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2025年04月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なかなか塞がらない傷口にそっと優しく触れて、おまじないをかけるような、切なくて温かい話だった。
重たい話ではあるけれど、絶妙な距離感の登場人物たちの触れ合いに心が温まる。
結局甘さは失ったままだったけど、千裕くんや綾乃さんのおかげで、美味しいという感覚を取り戻して、美味しいという気持ちを分かち合う居場所ができた茜がとても幸せそうでよかった。

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2025年08月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

表紙は割とほのぼのしているが、中身は決してほのぼのしていなかった。
茜も千裕もメンタルに傷を持つ同士。
そもそも茜がある事情で甘さの味覚を失っている身。
ただでさえ食生活や外食を伴う付き合いを難しいものにしているのに、作中は更なる追い討ちをかける展開まで。
まさかこれ以上酷くなるとは思わないじゃん。
終盤直前くらいだったから、ここで酷くなるとはと読んでいて絶望を覚えるほど。
ほのぼのとは一体。

それに、千裕くんもそうだが、茜の過去がかなり壮絶で。
そりゃトラウマで味覚もおかしくなる。
ただこのトラウマを克服できるかもしらないある場面は涙なしでは見られないという……たまらなかった。

再生のものがたりとあって、前述のトラウマの克服の場面は確かに再生に繋がるものではある。
ただ繋がるものであり、ご都合主義に味覚が全部ちゃんと戻りはしない。
「戻るかもしれない」という希望を見せた終わりで、その塩梅は好きにとれていいなと感じた。

気になったのは、茜が周囲に好かれすぎな点。
トラウマの件以外で彼女を嫌う人が出てこず、ゼミ仲間にもバイト仲間にも総じて好かれている点は疑問に思った。
優しいし仲間思いではあるが、結構重い過去持ちでややこしい性格してるのに、ここまで「みんな」に好かれる理由がよく分からなかった。

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2025年04月18日

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