あらすじ
「その服装、貴女はまさか花嫁として歓迎されると思ってこちらに来たのか？」
第一王子に突然婚約破棄された侯爵令嬢のシェラサール、愛称シーラ。
その理由は、公務の怠慢、使用人への虐待、男爵令嬢への嫌がらせなど、どれも身に覚えのないことばかりだった。
さらには、粗野で野蛮で女好きだと有名なディラン・サッハルト辺境伯と結婚しろと言われたが、シーラは動じない。
なぜなら……久しぶりの自由だから！
第一王子の婚約者として毎日勉強や政務に追われてきたシーラは、王都を出られるだけで嬉しくてたまらなかったのだ。
辺境伯に到着し花嫁衣装で挨拶したシーラを、結婚相手のディランは酷く嘲った。どうやらシーラは罪人だと伝えられていたらしい。
シーラの話を聞くこともなく、使用人としてなら置いてやると嘲ったディランを、シーラは一瞬で嫌いになったのだった――。
とんだ屈辱だが王都に帰るのも嫌なシーラは、使用人として働くことになる。
すぐに音を上げるだろうと踏んでいたディランだったが、毎日楽しそうに使用人の仕事をこなすシーラを見て、何かおかしいと気づき始め……。
作家より
高い山々が見える場所で、ゆっくり自分を取り戻す可愛いヒロインを書こう、と書きました。ヒーローは、もう少しカッコいい予定だったのですが、全然カッコよくならなかった。
『元侯爵令嬢の辺境使用人ライフ【完全版】』には「元侯爵令嬢の辺境使用人ライフ 辺境伯との結婚」～「おまけ 結婚式前日」を収録
感情タグBEST3
面白かったです。
事情が事情とはいえやることなすことすべて悪手にまわるヒーローと、
怒りに燃えるヒロインのやり取りが楽しかった。
思いが通じてからがの話が短いのが残念だったけど、
その分王妃さまが良い味出してくれてて良かったです。
シーラ 自由を満喫して！！
シーラにとって、花嫁姿で長旅を耐えて辿り着いた辺境の地で、辺境伯から言われた、あの酷い言葉の数々。そりゃ嫌いになるわ。シーラの持ち前の明るさと、困ってる人を見過ごせないおせっかいな所が多くの人に愛されて、沢山の味方が出来て、楽しくのびのびと過ごす姿に涙が出ます。愛される事を怖れずに、沢山の愛に包まれて自由を満喫して欲しい。
やれやれ
嫌われて、追い返してしまおうと酷い態度と物言いで、ヒロインの怒りと嫌悪を買う、ミッション大成功だったのに…。
第一王子様、自分から手離してどうするのよ、それも、結婚までさせちゃったら、元に戻れないじゃない。王妃候補を公妾にって、どれだけバカにしてるんだろう。妾に公務やらせる国、対外的に情け無い国だと思われるだろうに。
とりあえず、ヒーローが名誉挽回して、ヒロインに認識してもらえて良かった。
