【感想・ネタバレ】犬と戦争 がれきの町に取り残されたサーシャのレビュー

あらすじ

ぼく、子犬のサーシャ。
ヨーロッパの国・ウクライナの首都キーウで、飼い主のソフィアと幸せに暮らしていたら、とつぜん戦争が始まった。
急いでとなりの国に避難する途中、ソフィアとはぐれて、ひとりぼっちになっちゃった…。
でも、もう一度、大好きなソフィアに会いたい!!
そう思って、寒くておなかがすいても、ケガをしてもあきらめずにがれきの町をさまよっていたぼくめがけて、ミサイルが落ちてきてーー。
これは、戦争の中に取り残された子犬の小さな命と、危険な戦地で命をかけて小さな命を救い続ける人間たちの本当にあった、希望と感動の物語です。
【小学中級から ★★】

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Posted by ブクログ

本書は、ドキュメンタリー映画『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』の子ども向けノベライズです。

ウクライナの首都・キーウで、飼い主のソフィア&その両親と幸せに暮らしていた、仔犬のサーシャ。
ですが、とつぜん戦争が始まり避難する途中、ソフィア一家とはぐれてしまい・・。

子ども向けということで、可愛いイラストと共に仔犬のサーシャの視点で物語は進みます。

大好きな飼い主・ソフィアと逸れてしまい、お腹をすかしてミサイル攻撃で瓦礫となってしまった町をさまようサーシャ・・。
「・・きのうまで、この町にも、きっとたくさんの人がいて、たくさんの生活があって、たくさんの笑い声であふれてれていたはずだ…。
でも、とつぜんミサイルが飛んできて、すべてが変わってしまった。
いったいなにが起こったんだろう。
どうしてこうなってしまったんだろう。
子犬のぼくには、なにもわからない。・・」

一部の人間によって勝手に始められた戦争に、わけがわからないまま巻き込まれてしまった動物たちの境遇を思うと胸が痛みます。
そんな中、危険な激戦地まで行って、そこに取り残された犬や猫を救い出す活動をしている元兵士の方や、救出された犬たちを保護するシェルターを運営する方々、さらに国境付近の避難所に運び込まれた動物たちの、ケガや病気を治療する為に集まった獣医さんや医療スタッフの方々の存在に救いを感じました。
この物語は、ドキュメンタリーの取材がベースなので話の中に登場した現地で救護活動をされている方々には実在のモデルがいるのですよね・・彼らの尽力には本当に頭が下がる思いです。

ということで、本書を通して悲惨な戦争の中で命をかけて動物たちを助けている方々の存在を知る事ができたのと、改めて戦争という行為の理不尽さを思い知らされた次第です。

2022年2月、ウクライナがロシアの軍事侵攻を受けてからおよそ3年9か月になろうとしています。
今なお戦争は継続していて、これって太平洋戦争の期間を超えてしまうんですよね・・。
ウクライナの皆さまと動物たちに一日も早く安寧と幸せが戻ってくることを祈らずにいられません。

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2025年11月08日

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