あらすじ
麻布競馬場氏(作家)推薦!ーーーー生きづらい現代日本の「意外な正体」を暴いてくれる。
三宅香帆氏(文芸評論家)推薦!ーーーーこれは「テーマパーク化する日本」の予言書だ!
東洋経済オンライン・現代ビジネスオンライン・文春オンラインなどで超話題!
Z世代ジャーナリストが論じる令和の都市論・消費論
コロナ禍を経て、明らかに変わった日本
私たちは何に幸せを求めるのか?
SNS時代の分断は、都市をどう変えるのか?
はじめに ニッポンであってニッポンではない場所「ニセコ」
第1章 「ニセコ化」とはなにか それはニセコだけで起こっているものではない
第2章 「ニセコ化」する都市 「ニッポン・テーマパーク」から渋谷まで
第3章 成功の鍵は「ニセコ化」にあった スタバ、びっくりドンキー、丸亀製麺
第4章 なぜ今、「ニセコ化」が生まれたのか ディズニーとマーケティングが手を結ぶ
第5章 「ニセコ化」の波に乗れない企業とは ヨーカドー、ヴィレヴァンがマズい理由
第6章 「ニセコ化」の裏ですすむ「静かな排除」 居心地の悪さを感じる人たち
終章 誰も「ニセコ化」からは逃れられない 「推し活」と「キャラ化」で失われたもの
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Posted by ブクログ
インバウンドで賑わう、北海道ニセコ町の現象を「ニセコ化」=「選択と集中によるテーマパーク化」捉えて、地域振興だけでなく、マーケティング戦略や身近な哲学心理まで当てはめた本。一貫して「選択と集中によるテーマパーク化」という軸で様々な事象がお取り上げており、納得感もあったし、読みながら楽しめた本。
そもそもテーマパークとは理念を軸に空間作りを進める一方で、ニセコ化においては、ターゲット層のニーズをとらえた強みを軸に空間作りを進めるマーケティング的な観点が存在し、既に日本のテーマパークすらニセコ化が住んでいるとも捉えられる、という観点は特に面白く感じた。一方、ニセコ化のネガティブな側面として「静かな排除」をに触れている中では、私的空間はともかく、公共空間について、個人の好みが多様化した。現代においては、全員にとって居心地が良い空間は作れないと割り切っており、その解釈にはやや物足りなさを感じた。これからニセコから取り組もうとする地域では、実際に住民がいて、静かな排除を受ける者たちがいる。日本のどこかにその人にとって居心地の良い場所があればと言うような理論上の発想はわかるものの、土着愛に沿った地域づくりとしてはニセコ化にはものすごいハードルがあるように感じた。本書の中では、ニセコ化に至る具体アプローチについてはあまり言及はなく、私的空間ではなく、公共空間におけるニセコ化へのプロセスについて解像度上げていかなければ「ニセコ化」は悲しい結果を生むことになると感じた。