あらすじ
注文は受けない。いつだって――。都内でタクシードライバーを務める還暦間近の立原啓介には、密かな楽しみがあった。こだわりの食材を武器に、極上の「お家ご飯」を作り出すことに情熱を注いでいるのである。巧みな買い物術と、鋭い審美眼により生み出される料理は、まさに至高のひと皿。一人娘の菜央子も骨抜きにされている。ひと癖もふた癖もある中年オヤジの華麗なる美食の日々を描いた、病みつき必至のグルメ小説!
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Posted by ブクログ
仕事上の敗北感が消えない主人公。今も一発逆転を諦めていないのですが、それもなかなか上手くいかずにいます。
そんな主人公が生き生きと取り組むのが料理です。
自分の生きがいになる趣味を持つことは、たとえ他が上手くいかなくても自分を保つに力になるのだと思いました。
まだ解決していない問題が残されているので、続編を期待しようと思います。
Posted by ブクログ
グルメ小説らしいタイトルにひかれ、手に取る。テレビの「タクうま」みたいな感じかなと軽い気持ちで購入。
読んでみると料理をするタクシードライバーの話でしたが、本格的な料理はとても旨そう!
娘との関係も物語を引き立てていて、期待を上回るグルメ小説でした。
続編を期待してます。
Posted by ブクログ
サラリーマンをやめ、
タクシードライバーになった主人公立原啓介。
娘と2人暮らしをしながら、こだわりの食材から
極上のおうちご飯を作る物語!
クセのあるお父さんだけど、
料理が出来る男性は尊敬する!
一つの家族の物語としてもほっこりした。
軽い気持ちで読めたグルメ小説だった♡
Posted by ブクログ
サラリーマンを辞めてタクシードライバーになった親父が行きつけの美味しいお店を紹介する話かと思って読んだら、自宅で美味しい料理をする話だった。それでも親父の作る料理としては凝りすぎている(^^)
娘の誕生日にフランス料理のフルコース。オマールエビや鳩の料理など中々できるものでは無い。ただ、この親父のクセが強過ぎるのが難点www
Posted by ブクログ
ほぼ余談なのですが、大阪・なんばに波屋書房という創業百年を超える老舗の書店があります。ここは料理の専門書に特化した本屋で、料理人がやってくることでも有名。
私はといえば、食べることは大好きだけど、料理人でも何でもない。ただ、ここへ行くと文庫本も料理に関するものが集められていて凄く楽しい。最近はなんばグランド花月に行くたびに寄って、毎回3冊ほど買い込んでいます。そのうちの1冊。
主人公は一流企業を訳あって退職、今はタクシーの運転手。趣味は料理。妻とはずっと前に離婚しており、自分についてきた一人娘と二人暮らし。外で食べて来るなり自分で作るなりすりゃいいものを、娘は父親の手料理を楽しみにしています。
いまどきのグルメ小説にしてはちょっと硬めの文章だなと思うものの、生真面目な主人公の性格に合っているのかもしれません。
Posted by ブクログ
父と娘のリアルな会話と父の料理への思いが面白かった
けど、お父さんがひねくれすぎててめんどくさって思っちゃった。
ひねくれるだけの経験をしてきたんだろうけど、娘に対してくらいもうちょい素直になったらいいのに。って
でもこれがリアルだよなぁとも思った。
この歳くらいの男の人って本当めんどくさい
Posted by ブクログ
父と娘の関係が程よくアンマッチであるからこそ日々の同居生活が平穏な気がしました。
大きな組織から個人采配の日々に舵を切った決断はなかなかの大きな転機だと思う。出世した過去の後輩は後悔が湧く程の役割を担っていて葛藤に苦しめられる。そんなイライラを解消してくれるのは楽しさを感じられる調理。
馴染みのある和の文化や食材は老いた父の拠りどころ。海外から侵入してきた色々を受け入れたくない気持ちを持つのは分からないでもない。うまれてから外来種が席巻している時代を過ごした世代には位相が合わないのも是とせざるを得ない。多種多様が歩み寄り共存すべきが美味しい感覚の新たな気づきを生むのでしょう。美味しさの喜びは手間をかける価値がありますね。自分以外の誰かも喜ぶならより一層です。