あらすじ
失われた体力を求めて――
大病と化学療法でよろよろの身体、それでも人生は続いていく。
乳がんの治療ですっかり体力を失ったキミコさん。
ラジオ体操でさえフラフラの状態だが、体育会系編集者の叱咤激励によっていやいや運動を始めることに。まずは1日1000歩から。
散歩、縄跳び、そして最難関・山登り(標高531メートル)へ・・・!
思わず元気をもらえる、北海道在住・ぐうたらエッセイストの、猫と散歩と養生の日々。
【著者プロフィール】
北大路公子(きたおおじ・きみこ)
北海道札幌市生まれ。2005年『枕もとに靴 ああ無情の泥酔日記』でデビュー。各紙誌でエッセイや書評を執筆。
エッセイに『生きていてもいいかしら日記』『苦手図鑑』『石の裏にも三年 キミコのダンゴ虫的日常』『晴れても雪でも キミコのダンゴ虫的日常』『ロスねこ日記』『いやよいやよも旅のうち』『お墓、どうしてます? キミコの巣ごもりぐるぐる日記』、小説に『ハッピーライフ』など著書多数。
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匿名
病気のリハビリ日記ではあるけれど、悲壮感よりはクスッと笑える要素がある。やはり北海道のボヤキ人である。泣き言なのに冴えて笑えるのは北大路公子と大泉洋しか浮かばない。さすが試される大地の住人である。
今回は病気だけでなくお母さまのこととかもあり笑えないところも多いが…。
きっとお母様は大好きな猫ちゃんのそばにいて、あれこれけしかけてるのではないだろうか?
Posted by ブクログ
SNSでリアルタイムつぶやきを追っていた時のことを思い出しつつ読み進め、キミコ先生らしく明るく面白く描かれているけれどもどれほどしんどく大変な日々であったことだろうと改めて思います。
しんどいことって不思議と重なったりもするもので、感情を排するようにお母様のことをさらっと書かれていますがまだしみじみと思うには日が浅すぎる頃の記述なのだろうなとお察しした次第。
しかし「枕元に靴(キミコ先生のデビューエッセイ)」の頃からすると、酒飲みは続けておられるものの別人のような運動っぷり。
あの頃の先生を思うと、これほど(嫌々とは言いつつも登山やカヌーまで!)運動する日々を送られるようになるとは人ってすごいな、と思わされます。
ご自宅の階段を登山のように登っていた人が本物?の登山をするようになるまで回復を遂げる本書に書かれた道のりは、今病気や人生の苦しみにある人を励ましてくれる⋯かもしれないし、ふざけすぎるなよと言われるかもしれないけど、本当にしんどいときこそ笑いは大事だなとつくづく思います。
それにしても、三人旅の「お母様」って⋯(笑)ひどいよホテルの人と思いつつも笑ってしまう。関係性の分からない団体をどう取り扱っていいか分からない、というのは接客業の悩みですが「お母様」呼びはやばい。キミコ先生は体力のほかに忍耐力も相当(不本意ながら?)ついてしまわれたかもしれない。
朝からビール行っちゃうところは何か「あの頃のキミコ先生が帰ってきた!」と思って嬉しくなっちゃいましたね。
装丁のキミコ先生すごろくや、本文中に入っているイラストが味があって可愛いですね。丹下さんのイラストにもいつもくすっと笑わされつつ癒されます。
これからも味わい深くて面白い文章をたくさん読みたいのでどうかお元気でいてほしいです。