あらすじ
人は亡くなるとあの世へ行くという。
地獄の盟主・閻魔大王(えんまだいおう)と冥界の十王たちが、三年をかけて亡者たちの生まれ変わる先が地獄か否かを裁く。
裁きを受け、この世で悪いことをした者は地獄へ落とされる。
どの地獄へ行くかは生前の罪の重さによって変わってくる。それぞれの地獄では亡者を痛めつける鬼・獄卒(ごくそつ)が待ち受け、身体を切り刻んだり、火であぶったり、岩で押しつぶしたりするなど身の毛もよだつ責め苦を実行する。
小動物を殺したり弱い者いじめをしたりした者がおちる地獄・屎泥処(しでいしょ)には煮えたぎる糞尿の池があり、亡者はその中に落とされ、猛烈な熱さと悪臭の責め苦にあう。
水で薄めた酒や盗んできた酒を売るなど、不正をしたことで儲けた者がおちる地獄・火末虫処(かまつちゅうしょ)で亡者は獄卒に追いかけられる上、病気に悩まされた挙げ句、虫たちに食べられる。
「食べることをやめて、飢えて死ねば天に昇れる」といった邪説を説いた者がおちる地獄・分荼梨迦処(ぶんだりかしょ)では、蓮の花が火焔(かえん)となって亡者の身体を焼き尽くす。
この本では、平安時代に活躍した僧侶・源信(げんしん)が書いた極楽へ行くための手引書『往生要集(おうじょうようしゅう)』の中に記された八つの地獄と死出(しで)の旅路の道行、すべての生き物は生まれ変わり、死後に次の世へ転生するという六道輪廻(ろくどうりんね)の内容を丁寧に解説する。
行きたくはないが、生きている間に知りたい地獄がこの一冊で丸わかり。
また、地獄を理解する上で絶対に必要な極楽についても徹底解剖。
地獄と極楽を巡る旅をお楽しみください。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
地獄ってどんな場所?
どの地獄へどんな罪を犯した人が行くの?
では極楽とは?
生と死を考えつつ地獄の世界を旅してみよう。
・OPENING 冥界のキャラクター図鑑
第1章 往生要集に綴られた八大地獄
第2章 死出の旅路と六道輪廻
第3章 神話・説話・絵図に見る日本の地獄模様
第4章 地獄から脱した仏の世界 極楽浄土
第5章 地獄と並び恐れられた妖怪・幽霊・怨霊
・あとがき ・索引、主な図版資料、主な参考文献有り。
『鬼灯の冷徹』の舞台、地獄へようこそ!
源信『往生要集』と、仏教と道教が融合して生まれた
十王信仰、「地獄十王経」を中心に示される地獄。
熱地獄の八大地獄、それぞれにある16の小地獄の抜粋を
怖そうでなんか可愛い感じのイラストを添えて解説しています。
寒地獄は少しだけ。もちろん極楽浄土も。
輪廻転生と六道、死出の旅路と死に装束の意味についても。
『古事記』での黄泉の国や『万葉集』での死生観、
空海の地獄などの説話や絵画での地獄も、解説。
妖怪・幽霊・怨霊の話は、ちょっとオマケな感じだな。
世界各地の地獄観があればと思ったけどね。
『鬼滅の刃』で無惨様が送られたのは、阿鼻地獄。
二千年かけて責められ、地獄の底へ堕ち続けるんだって。
石川五右衛門が極楽に行けた話が面白かったです。
Posted by ブクログ
恐ろしい地獄を分かりやすく図解。阿鼻叫喚、奈落、餓鬼道、畜生道といった言葉は地獄に関する言葉である事が分かる。地獄の思想やその周辺を学ぶための初心者向けガイドブックといえます。