あらすじ
みなさんに、質問です。会社や職場でこんなことは起きていませんか?
・目標やノルマはあるが、どうやって達成するかは現場任せ(会社は教えてくれない)
・上司によって仕事の方針がバラバラ(上司が変わると仕事も変わる…)
・仕事の評価も上司でバラバラ(好き嫌いで決めている?)
・職場や商品で同じトラブルがよく起きる(仕事が増えていく一方…)
・みんな仕事を頑張っているが、会社の業績は年々下がっている(このままで大丈夫か!?)
1つでも当てはまる人や会社は要注意です。どれも原因は「仕事の良い悪いを判断するための“線”」がないからなのです。
今の仕事の状態が、「正しいか、正しくないか」判断できる便利なもの、それが「トヨタの線」です。
線は、仕事を「早く」「正しく」「ムダなく」「安全に進める」ための約束事です。
「線」を引き、運用するだけで、
・目標や計画が守られます。
・仕事や利益の邪魔となるムダがなくなります。
・判断に迷わないため、スピードアップできます。
・高い品質を保てます。
・すみやかにトラブルを検知できます。
トヨタの「線」の効果は絶大です。
たった1本の線を引くだけでルールが守られるだけでなく、仕事の成果を最大化させ、会社を変えるのです
「線」を引いた数だけ、「線」を運用した分だけ、会社もチームもメンバーも、成長していくでしょう。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
中堅以上の現場作業者にお勧めです。
◎作業、品質を安定させる考え方
◎それらの問題点の見つけ方
◎いくつかの実例を交えて紹介
3〜4割程はまぁ知っているような内容もありましたが、実例も踏まえて紹介されており、新しい気づきもありました。
Posted by ブクログ
線を引く。
私も仕事や人間関係の上で大切にしてきました。
本書はもちろん仕事に特化した内容でしたが、線を引き、方針、業務、作業、あらゆるものを見える化し、改善につなげられる事を再認識し、方法を学ぶ事が出来ましたな一冊
Posted by ブクログ
線を引くことで、次の判断ができるのです。
「自分たちの進むべき方向は、正常なのか、異常なのか」「自分たちの仕事のやり方は、正常なのか、異常なのか」「自分たちの仕事の成果は、正常なのか、異常なのか」
業務改善を進めるには、問題点の洗い出しが急務です。そのためには社内に線を引き、基準を可視化して、「異常に気づける職場環境」を構築することが大切です。基準がなければ、問題点を可視化することも、解決策を講じることもできません。
基準のない職場に改善はないのです。
通常、トヨタで行う作業は、まず、標準を決めるところから始めます。
標準が決まると、何がムダで、何を改善しなければならないかが明らかになります。また、「どの状態が正常で、どの状態が異常か」がすぐに判別できるので、不良やトラブルを未然に防ぐことが可能です。
ヒューマンエラーが発生した場合、一般的に「ミスをした本人に問題がある」と考えてしまいがちです。
けれども、トヨタは違います。
トヨタでは本人を責めることはせず、「しくみ」に着目します。
「人を責めるな、しくみを責めろ」がトヨタの姿勢なのです。
ムダの排除は、生産性の向上のみならず、「個人の人生を尊重すること」につながっています。「部下にムダな仕事(付加価値の低い仕事)」をさせることは、その人の貴重な人生の一部を「何の付加価値もないこと」に費やさせてしまうことです。
「作業の目的を明確にしないと、意味のない基準ができてしまう。そして、意味のない基準に翻弄され、ムダな時間を費やすことになる」
「何が問題だったのかを捉えることができる人は強い」
たとえ「改善する方法」がわからなくても、時間をかけてじっくり考えたり、誰かに助言を求めて解決策を得ることは可能です。
しかし、「問題が存在すること」に気づけなければ、手の打ちようがなく、そのまま問題は放置されたままです。まず、問題に気づけたことが素晴らしいということです。
ホウレンソウは、会議室ではなく、できるだけ仕事の現場(問題が発生している現場)で行うことが原則です。なぜなら、現場では、ごまかしがきかないからです。
トヨタには、「者(人)に聞くな、物(現場)に聞け」という言葉があります。
「者」は勘違いや、ウソをつく可能性がありますが、「物」は決してウソをつきません。
標準は永久不変のルールではありません。現状をさらに改善し、より良い状態へと書き換えるための途中段階です。だからこそトヨタは、「今日の標準は、明日の標準ではない」
「今のやり方以上に良い方法が必ずある」という姿勢で仕事に臨んでいるのです。
管理というのは異常の管理のことだ。正常なら何もしなくていい。
だからまず、正常と異常がわかるようなしくみをつくる。それが管理の第一歩。
異常がわかったら処置をする。
それが再発するようなら真因を追究して対策を打つ。
そういう異常処置と対策を打てる人材を育成することが管理者の2つ目の仕事なんだ。