あらすじ
星空を見る度、僕はきっとこの幸福な夜を思い出す。
７歳の頃に出会った少年・ヨルクに恋をしたカレン。政略的な価値のない男爵令嬢のカレンでは、文通すらも許されなかったが、彼への想いは変わらない。だが数年後、ヨルクの家が派閥争いに負けて没落。彼は家族への処罰の代わりに、重大な役目を負うことに。それは、15年間ひとりきりで「瘴穴封じ」をすること。カレンは決意した。瘴穴にいるヨルクに会いに行き、約束どおりお嫁さんにしてもらうのだと――！
大ボリュームの書き下ろし番外編３編と共にお届けする、
心優しい純真な青年とお日様のような押しかけ女房の、一世一代の恋と青春。
【目次】
◆１
◆２
◆３
◆番外編 その後のふたり
◆番外編 オデットより親愛なる兄へ
◆番外編 ガードラーより親愛なる若者たちへ
◆番外編 ある男の幸福な一日【五年間の記録】
【著者】
鈴木レモン
2017年『黒猫にキスを』（ロワ・ブラン）で作家デビュー。近著に、『伯爵令嬢の華麗なる妄想と恋 不埒本を愛する私の婚約事情』（リブラノベル）等がある。
感情タグBEST3
匿名
悪い人が出ない愛おしい佳作
作者様買い、Web既読です。
番外編は4編ありまして、最初のはWeb版でも拝読できますが、あと3編は書籍のみです。
一つは妹ちゃん視点で語られるヨルクお兄ちゃんの話、二つはカレンの師匠さんがヨルクに語る魔術学校での直向きなカレンの話、三つはヨルク視点で語られる任務終了後五年間の誕生日の話です。
Web版拝読時このep.をもう少し詳しく読みたかったという要望を汲んで下さったかのような番外編3編に大大大満足でした。ありがとうございます！
そして今作品は作者様の真骨頂！ 拝読中も拝読後も少しも読み手の自分の黒い部分が顔を出さず、二人の主人公にただただ頑張れ大丈夫とエールを送り、可愛いがただただ溢れ穏やかに読了できました。心がほこほこするお話の頂点だと思います。
作中では番外編含め、カレン7歳ヨルク9歳の時からカレン33歳ヨルク35歳頃まで描かれますが、世俗から長い間隔離された生活をして来たせいか、とにかくもともとの気質が擦れていないのがとてもイイです。大の大人になっても、とにかく二人は可愛い可愛い可愛いの連続です。
この二人って今いくつだっけと思い返しても違和感無く受け止められるキャラクターに、本当に感謝です作者様！！ こんな大人に憧れ、穏やかな作品で新年を迎えられた事にも有り難く存じます。
絵師様もとても綺麗な色使いでパッと目を引かれます。初めて一緒に外で過ごした夜のシーンでしょう。ヨルクの親指に嵌った指輪が印象的な左手はカレンの肩を抱いて……いない！のが初々しい表紙絵です。マントを肩に掛けようとしているだけ… そしてカレンのすねは生足？ならばそれは何とも扇情的で笑。ただ挿絵が無かったのは残念でしたが、いつか挿絵も拝見したいと存じました。
最後に、誤字脱字やテニヲハ違い、主語述語捻れ等が無かった事を感謝致します。ラノベ他TL小説BL小説の校正のいい加減さには最近目に余るものが増えたように存じます。売り出すに際し当たり前の事が整えられて販売されている良質な出版物に接しますと、非常に有り難くなります。ノンストレスな読後感、本当に大満足でした。出版社様、ありがとうございます。
とにかく癒し
作家さん買いです。何度も読み返しています。
嫌味なくひたすらに思いの丈をまっすぐに周囲の人たちの優しさも巻きこんでの内容がとにかく良いです。
お薬のようなお話です
作家さん買いです。
本当に、いつ読んでもひとのあたたかさを感じられるお話を書いてくださるのでとても嬉しいです。
読んでニヨニヨする場面があると、自分がよい人間になった気がします。
そうありたいと願い、行動していく力をくれる作家さんです。
今作も、カレンがとっても魅力的で、すっかりファンになりました。
こうありたいと願い、少しでも近づくにはどうしたらいいかを考えさせられました。
ヨルクもとても素晴らしいひとで、もうほんとに幸せになってくれて超嬉しい。
気持ちが荒んだ時にきっとじんわりと治してくれるようなお話でした。
きっと何回も読み返します。
