あらすじ
京都で孤独に作陶を続ける高義は、土を採りに入った山中で、傷だらけの少年と出遭う。少年は駆と名付けられ、いつしか師匠と弟子として、寝食を共にするように。親から愛されずに育った駆にとって、初めて手にした安穏だった。しかし、高義の実の息子で、確執の末に家を出て七年間音信不通だった充が帰ってきたことで、状況は一変する。さらに駆の行方不明だった母の消息が判明し、自分の過去を知ることになる。居場所を失いたくない駆の心は、徐々に暴走し始め……。果たして三人が一つの巣で暮らすことは叶うのか? 濃密な家族小説。
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Posted by ブクログ
あぁーよかった!やきもきしたけど、幸せな結末で。
嘘をつく話は苦手だけど、育ってきた環境、どうしても守りたかったもの、嘘をついた気持ち、同じく嘘をついていた母の最期と自分を照らし合わせて考えたこと等が丁寧に描かれていてとてもよかった。
Posted by ブクログ
壮絶な過去から救ってくれた師匠の穏やかな巣を必死に守ろうとする駆。駆に寄り添ってくれる人達が、みんな温かくて優しい。
カッコーの生態『托卵』
他の鳥の巣に卵を産みつけ、その鳥に子育てをさせる。そして他の卵より少し早く孵化したヒナは他の卵を巣の外に落とす。