あらすじ
性愛を極めた著者が描く純愛の世界、完結!
平凡だった。妻がいて娘がいて、会社につとめ定年になり、そして老年を迎えた。
妻は認知症になった。それも仕方あるまい。ずっと面倒を見る晩年なのだ。
妻は死に、僕も死を選んだ。はずだった……
時間を飛び超えてしまったのだ、僕は。1966年、妻が高校生だったころに。
僕もそこでは高校生だった。
過去に戻り奮闘するタイムリープ男、和樹。はたして未来の妻を守り切れるのか?
妻は和樹の記憶を取り戻せるのか?
ふたりの間には封印された記憶があり、今。ふたりはそれに近ずこうとしている。
記憶の封印が解けるとき、見えるのは破局か希望か?
いよいよクライマックス!
感情タグBEST3
綺麗に収束
夏祭りに関係者で行きつつ、結局は昔の記憶を頼りに花火のよく見える場所に、と2人だけで神社のある場所に移動したシーンの見開きが良いです。
幼馴染同士のお2人もここで本来の軌道に戻ったようです。
修学旅行で大乱闘事件を起こす四条君を放置できずに駆けつけた和樹君の尽力もあって琴宮さん同様、流れは回避できますが、その代わり、和樹君が退学処分に……琴宮さんに関係を迫る教育長の悪事をきっちり暴く琴宮さんたちがお見事でした。
2人が思い出せなかった重要な記憶、自宅の場所ではなく、(心中場所に選んだ)海にあったのはそこで娘さんが事故死するからだったようですが……ここからの展開がこの作品の真骨頂でしょうか。
生涯を振り返りつつ、最後は割とあっさりと他の人生も語られつつ、少し異なる現在につながります。
胡蝶の夢のような生涯を繰り返したのか、それともまた別の事象だったのかは読者の判断に委ねられているのでしょう。
巻頭の両手に花の絵にあるように、琴宮さんは生まれ変わっても和樹君が好きなのも良いです。これはそんなに長い作品ではなくてもよく出来た作品でした。