あらすじ
夫である皇帝アーノルドがでっちあげた愛人アメリ(中身は側近のロイ)を使って、帝国に出回る麻薬のルートを探ろうとするシエナ。
そんな中、公務で教会での祈祷に参加したシエナは、義理の母である皇太后ヴィクトリアとともに謎の男たちに連れ去られてしまった。
一方でシエナと和解し、ともに麻薬の出どころを調べていたアーノルドは、それを知ってもうろたえることなく、犯人に目星をつけてひとまずシエナに任せると言う。
あのシエナが大人しくしているはずがない――。
幼い頃からシエナを知るアーノルドはそう確信している様子で……。
そして誘拐されたシエナはというと、アーノルドの予想通り、犯人も予想だにしない動きでこのピンチを切り抜ける――!?
『ある日突然、夫が愛人を連れてくるものですから…【完全版】2』には「第一部 トマス・ステュアートの思惑」~「第一部 皇帝補佐官の苦労は続く」を収録
感情タグBEST3
読みやすいが、背景が重い
愉快な登場人物達の奮闘記としてはとても面白く、文体の軽妙さと明るさが良くてテンポよく読めました。
エピローグから始まる物語の顛末も、ハラハラしながら楽しく読むことができました。
明るい雰囲気、ラブコメ寄りのお話が好きな方にお勧めです。
ただちょっと背景になった問題や出来事についての扱いが、ちょっと個人的に軽く流されているように感じたというか…ただの出来事として消化されてしまうことに悲しみを感じ、結果的にハッピーエンドを素直に喜べなかったのが残念でした。
ヒロインが犯人の大罪を、個人の強さだけで赦すことそれ自体に共感ができませんでした。