あらすじ
意表を突くドラフト戦略と、“ドラフト外”を駆使したスカウティング。ターゲットを定めたら大出血もいとわない超大型トレード。弱小チームを常勝軍団に変えていく見事な手腕は「根本マジック」「剛腕」「球界の寝業師」などと呼ばれた。
日本全国に張り巡らされた人脈を駆使して球界での出来事はすべて知っていたという情報網。戦後の闇市でヤクザ者にも一目置かれ、財界の大物オーナーたちとも対等に渡り合う胆力。もはや伝説となったGM(ゼネラルマネージャー)としての根本陸夫の業績とエピソードの数々は、どこまで真実なのか?
栗山英樹、松沼博久、渡辺久信、鹿取義隆、愛甲猛……。さらに最側近だった浦田直治、黒田正宏らの新証言をもとに浮かび上がるオモテとウラ、成功と失敗、栄光と挫折。
もう二度と現れないだろう“球界のフィクサー”が異様な輝きを放ち球場の外が過熱した時代を描くアンダーグラウンド野球ノンフィクション。
【著者プロフィール】
高橋安幸 (たかはし やすゆき)
1965年生まれ。新潟県出身。ベースボールライター。日本大学芸術学部を卒業後、出版社勤務を経てフリーランスとなり、雑誌「野球小僧」(現「野球太郎」)の創刊に参加。主に昭和から平成にかけてのプロ野球をテーマとして精力的に取材・執筆する。著書に「根本陸夫伝 プロ野球のすべてを知っていた男」(集英社文庫)、「「名コーチ」は教えない プロ野球新時代の指導論」(集英社新書)、「伝説のプロ野球選手に会いに行く」シリーズ(廣済堂文庫)など。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
プロ野球界屈指のフィクサー、策士、寝業師など多くの異名を持つ根本陸夫。その球界での足跡を11人の野球人へのインタビューから浮かび上がらせる。最初と最後が愛甲猛、栗山英樹というところから意外な人選。根本がプロ野球界に及ぼした影響力は実に大きい。
エピローグに触れているが、広岡達朗への取材が叶わなかったのが何より惜しい。
Posted by ブクログ
なかなかに面白い本だった。
一文、スカウティングの肝みたいな話の中で、根本さんがいかに早く動くのか。いかに多くの人に会っておくのかが肝要というようなことを書いてあるところがあって、勿論自分は根本さんの足元にも及ばないが、それでもなんとかやれていたことが出来ていないのが、ここ数年の自分の課題になってしまってる営業の不調の原因だよなやっぱりと今更ながら気付かされたように思った。
根本さんには関係ないが、栗山さんがあのWBCの監督をやったときに、いかにしてあのメンバーを集めたのかについて書かれた本があればそれをぜひ読みたいと思った。もしかしたら栗山ノート2かな…
そのときに根本さんは集めたメンバー見てもう勝てるだろうと思っていたらしい。いかに準備を周到にしておくかということが肝心なんだと…