あらすじ
2029年、科学警察研究所の研究者・逆神は、警察庁副長官の木戸から3つの異なる事件の検証を命じられる。いずれも日本海側の各県で起きた奇妙な事件だが、一見すると何の繋がりも脈絡もないものだった。逆神は自らが率いる情報科学第四研究室をあげて解明に挑むものの、それは、東アジアの安全保障をも脅かす巨大な謀略の端緒にすぎなかった――。現役AI研究者にして、直木賞候補作家が、AI捜査を武器に、敵対国家、テロリスト、犯罪者を取り締まる「超知能警察」の活躍を描く次世代警察小説。
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Posted by ブクログ
AIとはそもそも、という基礎知識皆無で単に少し先の未来を描いた警察もの、と思って手に取ったのだとしたらちょっと手強い作品かなぁ、というのが正直な感想。小難しい用語がてんこ盛りです。私は仕事上、ほんの少しだけ関わることがあるので何となくイメージできたが、最先端技術、それも法整備が追いついていない分野だと、シンギュラリティに悪意が混ざった場合恐ろしいことになるな、と背筋がゾワゾワした。ものごとを性善説だけに沿って考えすぎてしまうのはよろしくないことだけれど、悪用前提で便利さを整理するのは少し寂しい。
作品は、どれも現実にあり得ると充分思える事案だらけで、別件ではあるものの最終的な関連付けが先に立ちすぎていたせいか、魅力的そうな登場人物たちのそれぞれの深掘りが物足りない感はあった(ので★ひとつ減)。