【感想・ネタバレ】氷核のメテオリア : 2のレビュー

あらすじ

適応しなければ、待っているのは「死」――。
借金のかたに炭鉱へ売られた少年・カナタは、仲間を救った活躍が認められ、国家直属のメテオリア研究開発機構「MRDO」にスカウトされる。
さらに過酷な試験に合格し、MRDOの中でも群を抜いて優秀な人しか入れない「特機研」に属することに…!
身体に移植された謎の生物「メテオリア」と共に、「仮説を立てる力」で生き残れ!! スチームパンク・アクション、第2巻!

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語の舞台は、特殊な化石燃料「メテオリア石炭」によって爆発的な産業革命が起き蒸気機関が発展した世界。
親の借金返済のために劣悪な環境の「死の炭鉱」で働きながらも勉学に励む主人公の少年カナタは、いつかそこから出る日を夢見ていたのでした。
そんなある日「死の炭鉱の怨霊(ゴースト)」が出ると噂の新たな鉱脈の開拓作業中、突然の崩落事故に巻き込まれます。
しかしそれを招いたのは「ゴースト」ではなく謎の巨大な化物(メテオリアン)だったのです!
師匠であるゴードンを助けるべく最適な方法を考えるカナタ。しかしふたりで生き残るには今一歩足りない…と思った瞬間、救世主が現れます。

カナタを救ったのはメテオリア研究開発機構、通称「MRDO(マード)」の特機研部隊長アラヤ・クロフォード。
彼との出会いでカナタの運命が大きく動き出します…。

この物語の中で何度も出てくる言葉があります。
それは、
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生き残る者とは最も「強い」者でも、最も「賢い」者でもない。
最も変化に「適応」できた者である。
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というフレーズ。
進化論を発見した自然科学者ダーウィンの言葉をベースにしているものと思われますが、この言葉がこの物語の核となり、カナタという人間を表していると言えます。

それがよくわかる代表的なエピソードをいくつかご紹介します!

まずはカナタが死の炭鉱に来た時のこと。
有害な光や炭塵があたり一面漂っている「死の炭鉱」に何も持たない状態で送られてきた幼き日のカナタ。
そんな彼を見かねて助けてやったゴードンに世話になりっぱなしではあるものの、ただ働くだけではなく、本を読み勉強をして知識を得る努力を始めます。
お金がないから…ゴードンに迷惑がかかるから…と遠慮をするのではなく、「これ以上迷惑をかけないためにできること」を考えて行動しているのです。
正に変化を受け入れられるカナタを描いた、象徴的なエピソードと言えるでしょう。

次に、カナタの運命が大きく変化することになった開拓現場での事件。
作業中にメテオリアンに襲われたカナタ。ゴードンが襲われ、絶望的な状況で彼が取った行動は「逃げる」でも「立ちすくむ」でもなく、「立ち向かう」だったのです。
危機的な状況下でどうすれば良いかを考え、本で読んだ知識を思い出し実行した勇気と行動力は一見無謀のように思えますが、あの場では最適な行動だったのです。

さらに「MRDO」の適正試験でも彼の適応力は発揮されます。
他の試験参加者に圧倒的な能力差を見せつけられ自分の無力さを痛感しながらも、問題の本質が何かを考え、見極めて行動したカナタ。
どんな状況でも失われない適応力には目を見張るものがあります。

彼が今後どう変化・成長していくのか楽しみです!!

スチームパンクな世界×化物との能力バトルという展開が胸アツな今作、バトルマンガ好きはもちろんのこと、レトロフューチャー好きにも注目していただきたい作品です!!

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