あらすじ
ひとことに「駅そば」といっても、店によって味も違えば、個性もある。訪ねた店は、3000軒以上、「駅そば研究の第一人者」がその魅力に迫るとともに、より深く乗り物とそばの関係を考察すべく、バスターミナル、空港、フェリーターミナルを訪問。それぞれに「BTそば」「空そば」「海そば」と命名し、「旅そば」という新境地を開いた。北海道から沖縄まで、実績に裏付けされためくるめくそばの世界。読むほどにそばが恋しくなり、気が付けば、そばのだしの香りを感じ、ページを閉じて本を置いた瞬間、そば店へ直行したくなる一冊だ。
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Posted by ブクログ
たまらなく「駅そば」が食べたくなる本です。鼻腔には熱々の出汁の香りを感じ、口内には汁と溶け合った揚げ玉のふにゃふにゃを感じ、唇にはズズっと音を立てて吸い込まれていくメンの動きを感じます。ここ最近、駅がオシャレに改築されて、ここに立ち食いそば屋さんあったよな、という店がなくなりチェーン店で済ますことが増えて来たように感じますが、著者はこう言います。「駅ナカが自由競争の場となって30年以上が経過しても、いまだに大手チェーンによる全国統一化の動きがみられないのだ。」そうなんだ…でもこうも書きます。「国鉄分割民営化以降の駅ナカ大変革なかで、残る店は残り、消える店は消える。そして、新たに芽生える店もある。この一連の流れは、駅そばの衰退史ではなく、国鉄分割民営化から30年以上経過してようやく表面化してきた新陳代謝なのだ。」そうかもな…時代変わっても空き時間に立ち食いそば食べたい欲は不滅だよな。それは移動したい、乗り換えたい、遠くへ行きたい欲とセットなのかもしれません。なので、BT(バスターミナル)そば、空そば、海そばの展開も超魅力的。本書の中に塩尻駅の「そば処 桔梗」の「日本一狭い」が出て来ますが、昨年行ったら5分前に閉店していて、山賊そば食べれなかったことを思い出しました。いまだに悔しいです。また行ける日のために新陳代謝して欲しくない、です。