あらすじ
はじめに、神は天と地を創造した――
世界一のベストセラー、聖書はその言葉からはじまります。
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の根底にあり欧米社会の基礎を築いた書物、聖書。
聖書を読んだことのない方でも「アダムとエヴァ」「ノアの箱舟」「バベルの塔」といった言葉はお聞きになったことがあるのではないでしょうか。
聖書に書かれた内容は文明のはじまりから帝政ローマ時代前期に至る壮大なものですが、大きく分けると「旧約聖書」と「新約聖書」の二部構成となっています。
旧約聖書は「神さまと人間の旧(ふる)い約束」を意味し、人類誕生から古代イスラエルの民と呼ばれる人々の歴史物語が書かれます。
新約聖書は「神さまと人間の新しい約束」を意味し、イエス・キリストの登場と伝道、イエスに付き従った弟子たちの物語が語られます。
本書では旧約聖書を43、新約聖書を35の項目に分け、物語の概略を解説します。
アダム、エヴァ、ノア、アブラハム、マリア、イエス…
様々な登場人物たちが神さまと約束しながら紡ぐ物語を、美しいイラストとともにひも解きます。
この一冊で聖書に記された物語の大筋を把握することができますが、ぜひ実際に聖書のその箇所にあたっていただけましたら幸いです。
汲めども尽きぬ泉のような聖書がまるで「私たちの物語」として身近に感じられるはずです。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
聖書ってなんとなく難しい気がして詳しいことは知りませんでした。
でもこの本は要約してくれていてイラストもあるからわかりやすかったです。
全体的に人間の弱さをみとめながらそれでも良い人間、健全な集合体を目指していく教えなんだなって思いました。
Posted by ブクログ
旧約聖書から新約聖書まで各々の物語の要約はとても分かりやすく、各項目のコラム的な説明はそうだったのかと思うものがたくさん記されている。
それぞれに付されているイラストも世界観が伝わるものばかり。
いくつかの聖書入門書を読んできてみたが、この本は大満足の部類に入る。
これを読んでから実際に聖書を読んだところ、前より分かりやすく感じられた。この本であまりカバーされていない聖書の中の文書の解説も読んでみたい。
Posted by ブクログ
世界最古のベストセラーだけあって聖書って面白い
・楽園を追放されたエヴァを陥れた蛇のモチーフは、シュメール神話「エヌマ・エリシュ」の混沌と創生の女神ティアマトの前身ナンム神。エヴァはヘブライ語で「命」、創世記でエヴァがすべての命の母となったとされる。
・「右の頬を打たれたら左の頬もさしだしなさい」とは、非暴力の美徳をといているわけではない。不浄とされる左手により平手打ちであり、侮辱的な意味が込められている。暴力の連鎖に加わらず、かつ屈辱に甘んじないための手段。
・古代における羊飼いは、律法や安息日を守ることができない卑しい職業だった。アダムとイブの息子アベルと軍王ダビデも羊飼いだった。
・99匹の羊を荒野に残しても1匹の迷える羊を探すのは、「大多数についてというよりまず1を見出す喜び」を語っている。一人ひとりが大切にされるべきという感覚。
・「ユダの福音書」によると、ユダは実はイエスから最も深く真理を教えられていた者であり、ユダがイエスを引き渡したのも元々命じられていたため。太宰治もイエスとユダの関係性を「駈込み訴え」で描いている。
Posted by ブクログ
なんとなくユダヤ教があってそのあとキリスト教が派生して…
という知識はあっても旧約聖書と新約聖書の違いはちゃんと
知らなかったので、時系列でまとめてあるこの本はすごくよかった
何より某漫画(イエスとブッタがシェアハウスするやつ)に出てくる元ネタがわかってより漫画を楽しめるようになります。