あらすじ
近年なにかと話題になることが多い新興政党やカルト的団体。こういった組織の熱狂はどのようにして生み出されているのか。その手法のルーツを辿ると、有名企業のブランディングやマーケティングに活用されているようなテクニックがある。長年カルト集団やマルチ商法集団を研究してきた著者が、そのマーケティング手法やブランディング手法に警鐘を鳴らしつつ解説する。
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Posted by ブクログ
気がついたら読み終わっていた。あまり触れることのないカルト組織や陰謀論の内情を垣間見ることもでき、とても興味深かったです。
個人的にセオリー2の部分が最もおもしろかったです。
カルトに人を引き込み過激行動を起こさせるプロセスは戦時の政府のプロパガンダ、ネットの女叩き扇動と構造としては同じだと理解でき、最近のネットの男女対立ら社会保障費を盾に老人を殺せとか言ってる人々にモヤモヤしていたが、自分の中で冷静に分析できそうな気がした。(もちろん現実問題として人口推移や社会情勢の変化に基づき社会保障や医療のあり方を変える政策議論が必要なのは別論で、出来るわけもないのに老人は今すぐ死ねとか馬鹿の一つ覚えみたいにヘイト撒き散らしてる人間に対しての非難です)。
筆者の共通敵の設定に関する考察は非常に鋭く、自分自身も世界を単純化して敵味方という偏った見方をしていないか思考を正すきっかけにもなった。
最後はもし身近な人がカルトなどにハマってしまったらどうすべきか、周囲の人間の構え方と具体的な相談窓口も豊富に掲載されていて勉強になりました。