あらすじ
ある日、子爵令嬢のサラは、前世で一度だけクリアしたことがある、逆ハーエンドの乙女ゲームの主人公に転生していることに気がついた。けれど、逆ハーエンドは性に合わなかったからなんとしてでも回避したい。幸いなことに、ゲームの開始時点までまだ少し余裕があることに気づいたサラは、あることを決意する。
「図書館……つくろう!」
この世界には図書館がない。本は高価だけれど、この世界で誰もが楽しめる場を作りたいと、ゲームとは全く関係のない方向に挑戦をすることを強く決意したのだった。
しかしこの思いつきの影響で、ゲーム内では序盤に亡くなるはずの第一王子の命が助かり、サラは彼から好意を寄せられることになる。
これは、前向きに生きるサラが周囲を巻き込みたくさんの愛を受け、全ての人間が幸せになる『原作を超えたハッピーエンドの世界』を作っていく物語。
※電子版書き下ろしを二編追加。
感情タグBEST3
ハッピーエンドで終わる
紹介にある通り、主人公(ヒロイン)の行動が起点になって、ゲームが始まらないまま登場人物全員がハッピーエンドを迎える話です。一人が優遇されるように状況が出来上がっていてゲームストーリーが進んでいくという話を超えて、そもそも行動を変えることで状況を変え、物語の展開を変える話は多いけど、それぞれが幸せをつかむ話はあまりない気がします。誰かは行動のツケを払って、罰を得るというように。各自の幸せを得るという意味では、満足のいく作品だと思います。