【感想・ネタバレ】はじまりの谷のレビュー

あらすじ

昭和初期の上州の農村を舞台に、現代では失われてしまった、美しい風景、自然への畏怖、家族や近隣の人々のぬくもりなどを瑞々しい筆致で描く。
少年はまっさらの心で、いくつかの出来事を通して成長する。そして、死の淵から還ってなお反骨の精神を失わない老人との絆を通して、自らの生涯を切り開いていく「思考の礎」ともいうべき精神性を養ってゆく。

つかみ取れ!
じぶん。

【推薦文】
「映像化の成功を確信させる名作。人間が自然が泣けるほど美しい」(田渕久美子/脚本家・作家)

【内容】
ウサギ罠
春の雪
はじまりの谷
夏の終わり
残光
白い谷
入学の朝

【著者】
丸橋 賢(まるはし・けん)
1944年、群馬県生まれ。東北大学歯学部卒業。同学部助手を経て、1974年、丸橋歯科クリニック開業。1981年、「良い歯の会」活動開始。2004年、群馬県高崎市に「丸橋全人歯科」を開設。現在、丸橋全人歯科理事長。アメリカ歯内療法学会、日本歯内療法学会を中心に、日本全身咬合学会、日本口腔インプラント学会等で活動したが、現在は退会し、全人歯科医学に全力を投入している。主な著書に『観察力──確信を育てる』(NTT出版)、『全人的治癒への道』『心とからだが変わる〈全人歯科〉革命』(ともに春秋社)、『新しい歯周病の治し方』『歯 良い治療悪い治療の見分け方』(ともに農山漁村文化協会)、『歯を疑え! 医療の常識を変える全人歯科医学の力』(幻冬舎)『退化する若者たち』『心と体の不調は「歯」が原因だった!』(ともにPHP新書)などがある。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

文章力が圧巻。
「尾根から見下ろす山の北側斜面は真っ白で、沢の底には、踏みならされた細道が凍って見えた。頬を刺す風が吹き抜けると、体の芯に寒い震えが走る」
「庭の日本の楓が一本は赤く、一本は黄色味がかった紅葉が始まり、葉が陽に透けて美しい。百日草と鶏頭が、季節をバトンタッチするかのように、両方とも咲いている」

プロの中でも上位クラスだと思う。なのに本業は歯科医と言うのだから仰天。どれだけ本を読んできたのだろう。
自分が雪山登山をするので、余計に情景をリアルに思い浮かべることができた。

何気ない田舎の暮らしの中に、人生劇場も少し加えられていて、地味な物語ながらも楽しめた。

0
2025年10月26日

Posted by ブクログ

新聞広告とその書評が気になり一読
自然、原風景、動植物たちが鮮明かつ豊かに表現される
こういった言葉や表現で、現実、目の前の自然を見れるということ
四季の流れで進む物語と情景もいい

0
2025年09月23日

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