あらすじ
2024年4月21日にピアニストのフジコ・ヘミングさんが永眠されました。幼い頃から才能を発揮し、高く評価されていたにもかかわらず、不遇の時代をすごしてきた天才ピアニスト。
激動の時代を乗り越え、ピアノとともに壮絶な人生を歩んできたフジコさん。彼女が語った多くの言葉はたくさんの人の気持ちを楽にさせ、励ます、優しくて強いメッセージばかりです。
本書では、写真とともにフジコ・ヘミングさんを振り返り、彼女の残した言葉に焦点をあてました。
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感情タグBEST3
Posted by ブクログ
私は、フジコ・ヘミングさんの演奏が好きでした。遍歴や音楽の考え方については知らないことが多かったので、この本に出会えて本当に良かったです。珠玉の言葉がたくさん詰まっていました。
「いくらテクニックがあっても、人間性は絶対に音に出る」
この表現が心残りました。
Posted by ブクログ
今年の4月21日、フジコ・ヘミングさんは逝去された。その訃報を知ったときとても悲しかった。もうあのピアノを聴けないのかと、辛かった……。
なんとか当たったコンサートのチケット、運営側から「払い戻ししてください」と連絡がきて、怪我の具合がそんなに悪いのだろうか、大丈夫なのだろうかと心配になった。
それからしばらくして、膵臓がんで亡くなっていたと知った……。声にならない。ただただ、辛い。
コロナ禍のなか、私が聴く最初で最後となったあのコンサート。初めて聴いたラ・カンパネラ。あのときの高揚感と多幸感は、胸が熱くなって身体がふわふわしていて……本当に、夢のような時間だった。
この本の中で、「人間性は音に表れる」「ピアノでやっていけると思った瞬間」「正直にやっていれば報われる」「バーンスタインへの愛情」について述べてあって……ああ、フジコさん……と、音楽ではないフジコさんの内面に触れてあったかい気持ちになりました。
フジコさんの訃報から、一瞬一瞬のかけがえのなさ、大切さを胸に刻むようになりました。
この瞬間は今しかない、またいつかは必ずやってくるわけではないんだ、と。
コンサートもいつも同じ音、空間、人、コンディション、雰囲気のなかで聴けるわけではない。そう思うと、そのときをしっかりと味わおうと考えるようになりました。
ありがとうございました。あなたの音楽が私はこれからもずっと好きです。