あらすじ
人気ミュージカル『エリザベート』に狂言回しとして登場するルイジ・ルキーニ。実在した彼は、19世紀末に孤児として生まれ、10代から職を転々とする。やがて無政府主義に傾倒、25歳の時にオーストリア皇妃を暗殺した。本書はルキーニが11年にわたる獄中生活で記した回顧録に加え、当時の公文書から暗殺事件の詳細や、逮捕当日から10回以上にわたる尋問、裁判での証言、手紙などから、真実の姿に迫る。ミュージカル『エリザベート』がより深く理解できる必読の書。俳優・成河(ソンハ)さん推薦。
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Posted by ブクログ
エリザベートを暗殺したルキーニの回顧録。
当然ミュージカルで描かれている部分とは違うわけだが、思ったよりクレバーな頭の持ち主で、
育ってきた境遇がヘビーなので、切なく感じてしまった…
Posted by ブクログ
生い立ちで歪むのは分かる。真面目で「変に」素直な気性も感じた。
兵役行ってたり、従僕経験あったりなかなか意外だった。
兵役時と、監獄(所長が変わるまで)時が彼が安寧感じてたのではないかな。殺人しといてアレだが。
Posted by ブクログ
ミュージカルのコミカルで憎めない狂言回しという印象しかなかったルイジ・ルキーニの出生から過酷な環境で育った少年時代の回顧録と、エリザベート暗殺後の尋問、裁判、拘置所や刑務所での生活の様子をまとめた本。ルキーニは刑務所で謎の死
ルキーニが回顧録を執筆しようとしたのは、学者による「ルキーニのような犯罪者は生まれながらに犯罪者だ」といったような言説を否定したかったからとのことで、私もその説には反対の立場で読みました。(でも暗殺はダメです!)児童福祉についても言及しています。
決して上手い文章ではないのですが、過酷な少年時代の描写は淡泊に書かれているので感情移入しすぎず冷静に読めました。
大人に従順にならなければ生きられなかった少年が、反旗を翻た。