あらすじ
悪魔である父と人間である母のもとに生まれた娘・源間菊光。
「悪魔撲滅の会」に巣食う悪魔を倒した彼女は、普段通りの生活に戻っていた。
そこへ、顔見知りの悪魔・佐藤が「人間を殺してほしい」と依頼を持ち掛ける。
悪魔と人間の狭間で生きる少女の物語、第2巻。
『人魚のムニエル 志波由紀作品集』と同時発売!
母を亡くしたばかりの高校生・源間 菊光(げんま きくみつ)、彼女は親戚の家に居候していますが、彼女の父親が「悪魔」であるため親戚から煙たがられています。
悪魔の強大な力と人間の優しき心を併せ持つ二世である彼女は、人間の世界でどう成長していくのか…!?
作品全体に漂う独特の空気感と違和感に引き込まれました。
その雰囲気を作り出しているのは、ユニークなキャラクターたちです。
まずは主人公の悪魔二世である源間さんをご紹介します。
彼女は普段、普通の高校生として過ごしていますが、その行動はどこか俯瞰的です。
一見馴染んでいるように見えますが、人間を観察し、学び、演じているかのようなところがあります。そのため、他の登場人物との会話にもどこか違和感が漂います。
そんな彼女ですが、人間を守るために悪魔と対話し、時には悪魔を退治します。
彼女は悪魔二世であるためか、基本的なスタンスは人間寄りですが、最終的には独自の正義感で行動しており、その判断は非常に現代的な印象を受けます。
次に、源間さんの同級生である河城くんをご紹介します。
彼は人間でありながらも、悪魔に侵された人や状況を目の前にしても冷静さを保つ逸材です。
源間さんの異常さを目撃してもそのまま受け入れる彼の姿勢は、器が大きいと取るべきか変わり者と取るべきか、悩むところ…。
それでいて、バイト先の店長を心配して怪しげなセミナーに付き合ってあげたり、人の弱さを利用する存在に対して真剣に怒ったりと感情に揺れ幅があり、源間さんと対照的な描かれ方をしています。
ホラーとユーモアの絶妙なバランスもこの物語の魅力です。
悪魔によって引き起こされる事件はホラー的な要素を含みつつも、人間の心の弱さや身近に潜む恐怖などを描いています。
そんな怖さがありながらも、軽やかなテンポと前述したようなユニークなキャラクター達によって読み口がライトになっており、ジワジワと読者の心に沁みこんできます。
読めば読むほど味わい深くハマっていく作品です。
今回がデビュー作とは思えないほどの期待の新作です。
今のうちから是非チェックしてください!!
感情タグBEST3
独特な世界観とキャラでおもしろい
出没注意の悪魔が不器用だけど根は優しそうでほっこりきてたのに殺されてショック
先生は全ての悪魔を滅ぼす考えかと思いきや主人公のことは認識しつつ許しているしどんな行動理念があるのか次巻が楽しみ