【感想・ネタバレ】幻月と探偵のレビュー

あらすじ

1938年、革新官僚・岸信介の秘書が急死した。秘書は元陸軍中将・小柳津義稙の孫娘の婚約者で、小柳津邸での晩餐会で毒を盛られた疑いがあった。岸に真相究明を依頼された私立探偵・月寒三四郎は調査に乗り出すが、初対面だった秘書と参加者たちの間に因縁は見つからない。さらに、義稙宛に古い銃弾と『三つの太陽を覚へてゐるか』と書かれた脅迫状が届いていたことが分かり……。次第に月寒は、満洲の闇に足を踏み入れる。昭和史と本格推理が融合した、重厚な歴史ミステリ。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

歴史背景を手堅く積み上げながら、その隙間を自由自在に埋めて行く感じが伊吹さんだなぁとしみじみ。
『刀と傘』あたりの舞台地よりも女性陣がよく動くのは時代もあるのか。
人を意のままに動かすアイテムとしての桜が、当人を裏切る結末へと舵を切らせるきっかけになる所が小憎いし、更に桜の花びらで捕らわれたあの人に対して桜に呼ばれるようにして自由を勝ち取った今作の人物と言う作品を超えた繋がりがしてやられた!と叫んでしまうくらい粋。

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2024年06月30日

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