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面白い!でもそれだけじゃない
古代ギリシャ界隈で有名な藤村シシンさんの最新作。
「こういうマジカルなの好きでしょ?」「ちょっとしたエロ(グロ)もあるよ?」と興味をひいておいて、歴史学・考古学のアカデミックな資料から魔術というものを紐解いていく。
前作同様、面白い文章でどんどん読む者を惹きつける。
ただ今回はテーマが【魔術】。一抹の不安があった。
「はじめに」や目次で提示されているように、最終的には魔術の正体にたどり着くことになるという。
最終章にはどんなどんでん返しが待っているのか。
残酷な現実を突きつけられるのではないか。
”魔術なんて存在しない”あるいは”魔女とみなされた人間は無残な最後を遂げた”とか…
そんな結末をうっすら覚悟しながら読み進めていった。
でも違った。最終章には希望すら感じた。
残酷な現実は承知の上(この本を手にするぐらいの者は既に十分知っているはず)だからこそだ。
魔術の本質・正体が本書のとおりであるなら魔術とは人間賛歌そのものだ。
読んでよかった。