あらすじ
「満州国」を知っていますか?
みなさんは、「満州」という言葉を聞いたことがありますか?かつて日本が、中国大陸につくった国の名前です。
しかし、なぜか、現代の人たちは、この国のことをほとんど知りません。(本文冒頭より)
戦争が終わった時、中国の「満州国」にはたくさんの日本人取り残された。13歳の少女和子さんは日本への帰国をめざすが、弟は病気になり・・・。「満州国」を知らない子どもたちへ、その悲しい歴史をやさしく語るノンフィクション。
小学校高学年~
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
満州での出来事を、小学生でもわかるような表現でまとめられている、小学校高学年からを対象にした本。表現は小学生でもわかるものだが、出来事の一つ一つは、非常に残酷で胸が苦しくなる場面もあった。戦争と言うと、東京大空襲、広島、長崎への原爆投下、沖縄の地上戦について取り上げられることが多い。教科書にも戦後の満州については、ほとんど触れられないため、一般的な知識として満州の出来事を深く知っている人は、大人でも多くないのではないか。戦争は決して武力の衝突による戦死だけではない。多種多様な被害があることを思い知らされる。本書は、小学校高学年からを対象とした本だが、大人でも視野が広がり、今ある生活の満足さに気付かさせる本でもあるのではないか。今から120年以上前に、国際秩序に対立した日本が建国した満州と言う、歴史的意味合いの強い地この域について学ばなければならないと思わせる一冊。